大手百貨店のJ.フロントリテイリングは1月24日、中核事業会社の大丸松坂屋百貨店の地域子会社、博多大丸(福岡市)が運営する大丸長崎店(長崎市)を今年7月末で閉鎖すると発表した。
長崎店の売り場面積は8428平方メートルと百貨店としては小型で、市中心部の商店街にある店舗は老朽化が進んでいる。このため、業績の立て直しは困難と判断した。2010年2月期の売上高は49億円とピーク時の6割の水準にまで落ち込んでいた。
同店は1854年創業の貿易商・徳島屋を前身とし、1934年には岡政として百貨店を開設、88年に長崎大丸となった。2003年には博多大丸に吸収され、同社の長崎店として営業されてきた。
J.フロントはこれまでにも松坂屋岡崎店や同名古屋駅前店など不採算店の整理を続けており、今回の店舗閉鎖もその一環。長崎店閉鎖で博多大丸の店舗は福岡天神店のみとなる。3月3日にはJR博多駅の新駅ビルに博多阪急がオープンすることもあり、福岡天神店に経営資源を集中する。