靴専門店大手のエービーシー(ABC)・マートは6月3日、セレクトショップ大手ユ ナイテッドアローズ(UA)の発行済み株式の23.3%を取得し、同社 の筆頭株主になったと発表した。株取得の目的についてABCマートでは、「靴の流行とファッショントレ ンドの相関性が非常に高いため、マーケティング手法 やマーチャンダイズに長けた同 社から学ぶことができれば、より感度の高い品揃えが可能になる」としている。一 方、UA側は「状況を確認中」としており、事 前の協議はなくいきなり筆頭株主となったABCマートの真意を測りかねている様子だ。
ABCマートは同社の創業者で筆頭株主でもある三木正浩元会長が代表を務めるイーエ ム・プランニング(東京都目黒区)から、UAの株式を65億7100万円で取得した。三木 氏は一時TBSの大株主として名前が浮上するなど、大口の投資家としても知られる。
ABCマートは低価格を武器に業績は絶好調で、2010年2月期の連結業績は売上高が前 期比8.5%増の1056億円、営業利益は5.3%増の213億 円を見込む。一方、前期まで3 期連続の減益が続いたUAの10年3月期の連結業績予想は売上高が826億円(3.7%増)、営業利益は44億円(3.7% 増)となっている。