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【吉野家HD】伊藤忠から自社株を買い取り、140億円で

 牛丼チェーン大手の吉野家を傘下に持つ吉野家ホールディングス(HD)は1月18日、筆頭株主の伊藤忠商事が保有していた全株式を買い取ったと発表した。取得額は約140億円。伊藤忠商事は2000年、西武百貨店と業務提携したのを機に同百貨店が保有していた吉野家ディーアンドシー(現吉野家HD)の株式を取得、約21%を出資していた。

 

 吉野家HDの牛丼事業はライバルのゼンショー(「すき家」を運営)や松屋フーズの値下げ攻勢を受けて苦戦中。このため、2010年2月期の吉野家HDの連結営業利益は約9億円の赤字だった(11年2月期は45億円の営業黒字の見通し)。

 

 伊藤忠からの株式取得の理由について吉野家HDでは「経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため」としているが、経営の独自性を高めてライバルに先行している海外事業の展開を加速させるなどの思惑がありそうだ。

 

 また、市場関係者の間では新たな資本提携に動くのではとの観測も広がっている。