【北京時事】中国国家統計局が18日発表した1~3月期の実質GDP(国内総生産)は、前年同期比4.8%増となった。4%成長にとどまった昨年10~12月期から上向いたが、新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策が経済に与える悪影響は4月以降に拡大しており、4~6月期のGDPは鈍化が避けられない見通しだ。
中国では2月の北京冬季五輪後、新型コロナの感染が急拡大。これが個人消費を直撃し、3月の小売売上高は急激な落ち込みを記録した。
ただ、商都・上海市にロックダウン(都市封鎖)措置が導入されたのは3月下旬。工場の操業停止など、経済への悪影響が本格化するのは4月以降だ。
今月16日には、西部の主要都市・西安市も再封鎖された。中国当局は「世界で最も厳しい」と評されるコロナ対策を一段と強化しており、景気の先行きは不透明感を増している。
中国は今年、「5.5%前後」の成長率を目標に掲げている。達成に向け、政府は金融緩和や積極的なインフラ投資で景気下支えを図るとみられる。
もっとも、習近平国家主席がゼロコロナを堅持している以上、大幅な政策の見直しは難しいという見方が有力だ。英調査会社オックスフォード・エコノミクスは、中国で「(物流の)混乱が今後数週間続く可能性がある」と予想。市場では、今年の中国の成長率は政府の目標に届かず、4%台で終わるとの観測も出始めている。