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ダイオーズ、自社運営のフードデリバリーで「冷凍弁当」の取り扱いを開始 !そのねらいは!?

コロナ禍で働き方が変化する中、オフィス事業所向けのサービスが多様化し始めている。事業所向けの各種サービスを手掛けるダイオーズ(東京都/大久保洋社長)は、昨年からフードデリバリーサービス「ダイオーズミールデリバリ―サービス」を展開する。この夏、同サービスでは冷凍弁当の取り扱いを開始する。健康食レストランの人気店「筋肉食堂」と提携し、新しい「BtoBtoE市場」の開拓をめざすという。ねらいは何か。

ダイオーズでは法人向けフードデリバリーサービスを手がけている

「筋肉食堂DELI」をラインナップに追加!

 ダイオーズといえば、事業所向けサービスのパイオニア的な存在だ。既存の法人顧客の社員(約20万社)のニーズをもとに、さまざまなサービスが新たに誕生しており、これまでもオフィスコーヒー、ウォーターサーバー、清掃サービスなど、さまざまな事業所向けサービスを手掛けてきた。

 同社では、勤務時間内の「食」のニーズにも対応すべく、「タニタカフェ」「MARGO」「SAKURA食堂」「松屋」などのランチメニューを届けるフードデリバリー「ダイオーズミールデリバリーサービス」をすでに提供している。

 同サービスはレストランや外食チェーンのメニューを、ダイオーズのスタッフが顧客に直接届けるというもの。対象となるのはもちろん、企業をはじめとした法人だ。サービスは、ダイオーズが提供するオリジナルスマホ決済アプリ「Daiohs Pay」を使って、企業のシステム利用料(昼食補助)を組み合わせて利用できるようにしており、「社食」に代わる新しい福利厚生サービスとしての運用を提案している。

筋肉食堂DELIのメニュー。高タンパク、低糖質のメニューを豊富に揃える

 そんな同サービスのラインナップに、22年8月から、TANPAC運営の健康食レストラン「筋肉食堂」が提供する冷凍弁当が加わった。新たに販売する「筋肉食堂DELI」は、ダイエットからバルクアップまで、目的に合わせたセットメニューを、レンジ調理するだけで楽しめる。高タンパク質・低糖質・低カロリーを切り口としたメニューを豊富に揃えているのが特徴だ。

 ダイオーズの大久保真一会長は「冷食弁当を取り扱うきっかけとなったのは、お得意先から声。ニーズを踏まえたうえで、ビジネスとしてやっていくことが可能か、さまざまな視点で検討を重ね、取り扱いを始めることにした。今まで飲料がメインでしたが、『食』のサービスを求めるニーズは急激に増えているようだ」と話す。

ダイオーズがねらう「BtoBtoE」市場

 ダイオーズミールデリバリ―サービスは現在、8社56種類のメニューをラインナップする。今回、新たなチャレンジとなった冷凍食品については、筋肉食堂DELI以外にも5社40種類のメニューを提供する。

 「『食』を切り口とするサービスを手がけるうえで重要なのは、『飽きないデリバリーメニュー』を実現すること。今後も飲食ブランドとのコラボをはじめ、新たな品揃えを模索してきたい。身体を気遣うヘルシーメニューから、モリモリと食べたい人向けの満腹系メニューまで、和洋中と多種多様なメニューを開発したい」(ダイオーズ開発担当者)。

 ダイオーズでは、ダイオーズミールデリバリ―サービスの導入メリットを次のように挙げている。

①昼休みを有意義に過ごせるように、無駄な時間を削減するための「時間の節約と生産性向上」を図る。
②コストを極力抑えながらも、利用度の高い福利厚生を提供することで、人材確保に生かすことも可能。
③自社スタッフによるデリバリーであり、徹底した社内教育・研修、毎日の検温や体調確認が実施できるため、顧客は安心して利用できる
➃コロナ禍が続行する中、感染症対策の一環としてデリバリーを利用することで「感染リスクの回避」 に貢献する。

 昨今は、「健康経営」というワードが脚光を浴びており、社員の健康保持・健康増進をに力を入れる企業も増えてきた。社員の活力、あるいは生産性の向上は、組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や組織の価値向上につながる。そうした考えもあって、福利厚生サービスの充実が重要課題として注目を集めている。
 
 「当社には事業所向けサービスで長年培ったノウハウを生かした企業戦略が求められている。コロナ禍を経て、現在はさらなる進化が望まれている。ダイオーズのビジネスモデルは従来、『BtoB』だったが、ダイオーズミールデリバリーサービスを『BtoBtoE』(Employee:従業員)市場の開拓する布石としていきたい」(大久保会長)

 「Employee」という新機軸を打ち出した、ダイオーズのフードデリバリーサービスは広く普及するか。動向を見守りたいところだ。