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「売上はすぐには回復しない」

と苦しい胸の内を吐露するのは、東北3県(山形県、宮城県、秋田県)に食品スーパーやドラッグストアなど148店舗を展開するヤマザワ(山形県)の古山利昭社長だ。

 

 ヤマザワがドミナントを構築する東北エリアの商況は「厳しい」の一言に尽きる。

 たとえば、山形県であれば人口は110万人を割っており、エリア全体に人口減少と高齢化の波が一気に押し寄せている。にもかかわらず、大手企業を中心にいまだ出店意欲は衰えず、2017年にはドミナントエリア内に17店舗の新規出店があった。

 また、ドラッグストア各社が低価格を武器に市場を蚕食。さらには、2019年10月の消費増税実施を前に消費者の節約志向が蔓延する。

 その意味では、未来の日本消費市場の典型例と言って過言ではない。

 

 こうした商環境は、同社の業績にも影響を及ぼしている。2019年2月期の第2四半期決算の売上高は558億8200万円(対前期比3.4%減)、営業利益は2億200万円(同63.4%減)、経常利益2億2400万円(同61.4%減)、四半期純利益は1億100万円(同71.5%減)の減収大幅減益に終わった。

 

 とくに厳しいのは、既存店舗売上高だ。

 前々期の対前期比0.7%減、前期の同0.8%減に対して、今期は同4.6%減となった。

 なかでも客数は、同4.8%減となっており、古山社長は大きく問題視している。

 

 「店舗の老朽化が進んでいるが、リニューアルが遅れ、後手後手に回っている。3年前の中期経営計画を再度精査して、反省すべきところは反省し、来期以降の新計画に取り込んでいきたい」(古山社長)。

 

 「売上はすぐには回復しない」ことを前提に、効率化やMD(商品政策)の磨きこみに注力し、苦しい局面からの脱却を図りたい考えだ。(C)