メニュー

「恥ずかしい思いをした」

 中国語でこのように話したのは、テンセント・ホールディングス・リミテッドWeChat Pay事業副総裁の李培庫氏だ。

 

 富士急ハイランドへの「WeChat Pay」全面導入記念セレモニーに参加するために来日した同氏。日本滞在に同行していたメンバー2人がレストランで食事をしたときのことだ。

 

 「会計しようとしたところ、2人とも財布を忘れていた。1人がレストランに残り、もう1人が現金を取りに行ってなんとか会計を済ますことができたものの、とても恥ずかしい思いをしてしまう、というシーンがあった」(李氏)。

 

 キャッシュレス化が加速する中国。李氏の発言は、“食事の際に財布を持っていかないのが当たり前”であるほど、中国ではQRコード決済が普及していることを示唆している。

 

 「WeChat Pay」は日本でも急速に普及している。同社によると、国内における取引金額は1年間で5倍、新規加盟店数は6倍に増えているという。

 

 こうした動きに対応するかのように、最近は「LINE Pay」「楽天ペイ」「d払い」といった国産QRコード決済サービスも急速に加盟店を増やしている。2018年6月には、検索サービス大手のヤフーがアプリを使ったQRコード、バーコード支払いサービスをスタート。QRコード決済の覇権争いは激化している。

 

 急拡大するQRコード決済はキャッシュレス後進国である日本の決済を変えるか。“決済革命”の足音が近づいている。(OT)