シームレスなショッピング体験提供への期待が高まる
ゼブラ・テクノロジーズ・コーポレーション(ZBRA、以下「ゼブラ」)は、第13回「小売業界のテクノロジー改革に関するグローバル調査」の結果を発表した。調査では買物客、小売店従業員、小売業界幹部の意識や行動を分析し、店頭およびオンラインにおける購買行動に影響を与える店舗やテクノロジーの動向に焦点を当てた。
13回目を迎えた今回は、新型コロナウイルスの世界的流行下で実施された調査であり、買物客と小売業者双方の意識と行動に明確な変化が見られた。
調査では、買物客が実店舗とオンラインでシームレスなショッピング体験を求めていることが明らかになった。希望する商品在庫がある場合はオンラインで注文するケースが増加。約60%がオンライン注文を活用しており、コロナ禍でeコマースの注文が急増している傾向が顕著にみられた。
また、買物客の5人に1人以上がオンラインで購入した商品を返品しており、従業員の57%が返品を大きな課題であると回答。店舗販売の課題として商品の品切れの問題が挙げられ、買物客の41%が何も買わずに店を出る最大の理由としている。以下、長いレジの行列(32%)、商品が見つからない(31%)と続き、いずれも昨年より大幅に上昇している。
モバイルオーダー利用の増加
コロナ禍において買物客のモバイルオーダーやスマートレジのソリューションの活用が増加していることから、小売業界幹部と小売店従業員は利便性や効率化に対する買物客のニーズの拡大を認識していることが明らかとなった。モバイルオーダーを利用する買物客は72%で、うち今後も利用を継続するだろうとの回答は82%に達した。
主なユーザー層はミレニアル世代[*1](88%)、X世代[*2](79%)で、ベビーブーム世代[*3]も47%が活用していて、うち74%が今後も利用を続けるとの見通しを示している。より多くの小売店舗がモバイルオーダーに対応すべきと考える買物客は64%で、モバイルオーダーが買物客の期待に応えるのに役立つとの回答は小売業界幹部の90%、従業員の83%を占めた。
*1 ミレニアル世代:24~39歳
*2 X世代:40~54歳
*3 ベビーブーム世代:55~65 歳以上
スマートレジ導入で顧客体験が向上
調査対象の買物客のうち、セルフレジ使用経験者の割合は47%で、63%がセルフレジのソリューションが顧客体験の向上に役立つ回答し、また、小売業界幹部の86%、従業員の72%がセルフレジよにって顧客体験が向上すると回答。業界幹部の10人中9人、従業員の10人中7人がセルフレジを導入することで従業員がより重要な仕事に専念できるようになり、顧客へのサービスが向上するとともに、安全衛生上の義務や規定を満たすことができると回答した。
店内の衛生状態や人との接触を気にする買物客は67%で、非接触型の支払い方法がある小売店を好むとの回答は59%。また10人中7人の従業員は、ソーシャルディスタンス/接触を追跡するアプリがあれば、より良い顧客体験を提供できると回答している。
調査概要
調査企画:ゼブラ・テクノロジーズ・コーポレーション
調査期間:2020年8月~9月
調査実施:Azure Knowledge Corporation(米調査会社)
調査対象:買い物客4,175人、小売店従業員577人、小売業界幹部412人
調査方法:聞き取り調査
調査地域:北米、中南米、アジア太平洋(日本含む)、欧州、中東