[東京 15日 ロイター] – ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長は15日、自社イベントで講演し、労働力人口の減少が避けられない日本経済を復活させるためには、AI(人工知能)などを搭載したスマートロボットを活用して、生産性を向上させることが必須だと主張した。
孫会長は、スマートロボットを自らの造語として「スマボ」と紹介。日本の生産性が低い要因のひとつは企業のハイテク技術導入が遅れていることにあるとして「スマボの生産性は人間の3.5倍。労働時間も3倍となり、10倍の競争力を持つことができる。日本に1億台導入すれば、労働人口10億人の国に生まれ変わる」と力説した。
SBGは自ら運用するビジョンファンドを通じて、関連企業18社へ投資。講演では、二足歩行で走ったり飛んだりできる高機能ロボを開発する米ボストン・ダイナミクス、AIを搭載して工場の製造ラインなどでより精緻な動きを実現する独中アジャイル・ロボッツなどを紹介した。
孫会長は、従来のロボットをガラケーに対比させて「ガラボ」と名付け、事前に下した命令の通りに動くだけである一方、「スマボ」はAIで学習することで臨機応変な対応が可能になると説明。アップルのiPhoneで「世界の人のライフスタイルが一瞬で変わった。スマホが世界を変えたように、『スマボ』はロボットの世界を一瞬で塗り替える」と話した。