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調剤併設型の最新店、「オーケー新座北野店」の売場を徹底解説!

先日、関西進出を正式に発表し、業界中の注目を集めたオーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)。同社は今期も積極出店の構えを見せており、2022年12月までに6店舗を新規出店している。オーケーの強さを再確認するため、2022年8月にオープンしたばかりの調剤併設の新店「新座北野店」(埼玉県新座市)を訪ねてみた。
調査日:10月31日、11月2日 ※本文中の価格はすべて本体価格

オーケー新座北野店の外観

埼玉14店舗目!新座市には初出店

 オーケーが2022年8月に出店した新座北野店は、東武鉄道東上本線「志木」駅から徒歩約13分の場所にある。新座市初出店、埼玉県には14店舗目の出店となる。

 店舗周辺はマンションや戸建て住宅が密集する住宅街が広がる。幹線道路の「東北通り」から1本入った場所にあり、店舗前を通る道路は狭く、アクセスはそれほどよいというわけではない。

 オーケーの公式サイトによれば、新座北野店の売場面積は685坪。大型店の位置付けになると見られる。店舗構造は地下1階、地上3階建てで、地下1階部分が売場、2~3階と屋上が駐車場となっている。作業場と倉庫は1階にあると見られ、作業効率はあまり高くないとみられる。立地、売場の確保などを検討した結果だと思われるが、店づくりには苦労したことだろう。

 売場配置は、主通路沿いに青果、鮮魚、精肉、和日配、総菜、ベーカリーを配置し、オーケーではおなじみにワンウェイ方式となっている。売場スペース構成比は、生鮮食品と日配の合計で40%と、一般的なスーパーマーケットと比較すると低く、加工食品と菓子にスペースを割いている。ただ、オーケーとしては、標準とスタイルであると思われる。

埼玉初の調剤併設店舗!

 新座北野店では、広大な売場を生かし、調剤薬局を併設している。オーケーは2021年8月に本部近くの「港北店」に直営調剤薬局の「オーケー調剤薬局」を導入し、調剤事業に本格参入した。新座北野店は埼玉県では初の調剤併設店舗で、2022年12月現在、東京3店舗、神奈川3店舗、埼玉1店舗の合計7店舗に調剤薬局を併設する。

埼玉県では初の調剤併設店舗となる

 新座北野店の調剤薬局スペースは約10坪(歩測)で、土・日・祝も営業し、全国医療機関の処方せんを受け付ける。医薬品の扱いも豊富で、近隣住民にとっては大きな魅力であると思われる。ただ、認知度がまだ高くないためか、調査期間中は利用者をほとんど見かけなかった。新規客をどう開拓していくかが今後の課題となりそうだ。

●青果 オーケー標準スタイルを踏襲

 ここからは主要部門の売場を見ていこう。1階入口から店内に入り、エスカレーターで降りた先にあるのが、生花と青果の売場だ。

 青果は先頭壁面30尺のスペースを使って、ぶどうや柿、みかんなどの色鮮やかな国産果実を陳列。続く36尺のスペースでは、トマトやキュウリ、レタス、カット野菜などのサラダ関連の野菜を配置。トマトは9尺のスペースで1個173円、3個387円、プチトマト173円など10品目を扱う。キュウリも1本47円、4本261円と量目をわけて展開する。

 同じラインには、「ハーブ」「工場野菜」のほか、「九条ねぎ」(1本154円)など10品目を扱う「京野菜」、ほうれん草(173円)など30品目を揃える「有機野菜」などのコーナーをそれぞれ展開、品揃えに幅を持たせている。

 鮮魚売場とのつなぎの位置には、4尺のスペースでドライフルーツ19品目を販売。その下段のスペースでは、冷凍ケースを配置し、「凍眠市場」ブランドの冷凍果実10品目を販売する。

ドライフルーツコーナーで販売していた「ココナッツファイン」(ココナッツの果肉を細かく削ったもの)

 昨今の社会情勢もあってか、価格は以前のオーケーよりも少し高めに設定しているような印象だ。

●鮮魚 冷凍商品が充実

 鮮魚は入口からみて、左側と奥側の壁面、81尺のスペースで売場を展開する。圧巻は36尺の冷凍商品コーナーで、先頭から「切身」「塩干物」「水産加工品」「うなぎ」「各種魚介」「えび」「刺身」の順に商品を配置。各カテゴリーとも、以前よりも見栄えする商品が増え、ラインナップも増えているようだ。冷凍技術の進歩を感じさせる、豊富な品揃えが目を引いた。

 続く左側壁面30尺のスペースでは、「お造り」「まぐろ」「刺身」「大衆魚」「切身」を、正面壁面15尺のスペースでは、「鮭」「魚卵」「粕漬け」「小魚」「貝類」を配置する。「5点盛」(598円)、「7点盛」(980円)、「ファミリーセット」(1480円)まど各種刺身を充実させたほか、「真あじ」(1尾」117円)、「秋刀魚」(1尾145円)など丸物も魅力的な商品が並ぶ。全体で見ると、品揃えは絞られているようで、単品の販売を重視した商品構成であるようだ。

鮮魚売場で販売する冷凍の塩さば(294円)

●精肉 「売れ筋を売る」姿勢が徹底!

 精肉は店舗奥側の奥側壁面をメインに、右サイド壁面冷凍肉や加工肉を配置。「ジャンボパック」「黒毛和牛A5」「ナチュラルビーフ」「ラム肉」「鹿児島産黒豚」「国産豚」「銘柄豚」「国産鶏」「ひき肉」「味付け肉」「精肉加工肉」とそれぞれコーナーを展開する。

 牛肉は「黒毛和牛」がメイン商品で、米国産、豪州産、ニュージーランド産など輸入牛の扱いもあるが品数は少ない。豚肉も「鹿児島産黒豚」、鶏肉も岩手産と、国産商品が中心となっている。

 品揃え、販促ともにやや地味な印象だが、「売れ筋を売る」という姿勢が一貫されている点は注目だ。

 後編では、注目の総菜、加工食品などの売場を見ていく。

(店舗概要)
所在地 埼玉県新座市北野3-4-5
開店日 2022年8月30日
店舗面積 2265.28㎡
営業時間 8:30~21:30(調剤薬局は18:30閉店)
駐車台数 108台