ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)は11月25日、埼玉県川越市に「ヤオコー川越霞ヶ関店」(以下、川越霞ケ関店)をオープンした。サミットの退店跡、自社店舗が密集するドミナントエリアへの出店となった同店ではどのような売場づくりをしているのか。自社店舗最新店の商品政策(MD)と売場づくりを写真で見ていく。
サミット退店跡にS&Bで出店!
ヤオコーが今回出店した「川越霞ケ関店」は、東武東上線本線「霞ケ関」駅北口から約100mの駅前立地にある。2021年2月に閉店した「サミットストア霞ケ関店」跡をスクラップ&ビルドして出店した。
店舗周辺は商店や住宅が混在する古くからの市街地で、半径1km圏内には約1万世帯/約2万2000人が居住。人口・世帯数ともに増加傾向にある豊かなマーケットとなっている。年齢別人口構成では、30~50歳代がボリュームゾーンで、次いで70歳代が多い。世帯別でみると、単身と2人世帯で66.6%を占める。
埼玉県川越市はヤオコーが本部を置く同社のお膝元とあって自社店舗も多く、川越霞ケ関店から約1.7kmの距離には旗艦店の「川越的場店」、約3.5kmの場所には「川越山田店」があるほか、川越市と隣接する鶴ヶ島市内、川越霞ケ関店から約2.6km離れた場所には「鶴ヶ島店」がある。川越霞ケ関店の出店により、川越市内、東武東上線沿線のドミナントをさらに強固なものにする考えだ。
隣接地に「マツモトキヨシ」があることもあってか、近隣型ショッピングセンターではなく、単独の路面店(23年にヘアサロンがテナント出店予定)での出店となった川越霞ケ関店。店舗面積は563坪と、ヤオコーとしては標準規模のレギュラー店の位置づけとなる店舗だが、先月に出店した新旗艦店「和光丸山台店」(埼玉県和光市)で導入した最新の商品政策を一部取り入れるなど、最新店ならでは取り組みも見られた。写真ともに売場を見ていこう。
鮮度と品質を打ち出す生鮮食品売場!
メーン入口付近、導入部の青果売場は旬と鮮度の打ち出しに力を注いでおり、取材時は最前面の平台で、「蜜るみかん」「陽当りみかん」など各種みかんを大量に並べていた。平台のエンドではイチゴも揃えており、ヤオコーが生産者より優先的に買い付けているという埼玉県産の希少品種「べにたま」も扱う。
青果売場から主通路に進み、日配を挟んだ先で展開するのが鮮魚売場だ。鮮魚売場では切身の提案に力を入れ、品揃えの豊富さと旬物の単品量販により、支持獲得をめざす。冷凍魚も充実させているようで、平場の冷蔵ケースでは「しまほっけ」「甘口さば」など各種冷凍魚を揃えていた。
店舗奥側壁面の精肉売場では、しゃぶしゃぶを重点カテゴリーと定め、バラ肉や肩ロース、赤身などの主力商品から和牛モモ、イベリコ豚、タンといったこだわり商品まで幅広い商品ラインアップを展開。豚肉コーナーでは後述する総菜売場でデリカ商品としても販売する「プルドポーク」の素材も扱う。
旗艦店MDも一部導入!注目の総菜
注目の総菜売場では、「幸唐」「漁火」のほか、既存店でもおなじみのMDを導入。厚焼き玉子や焼きそばを店内調理で提供する鉄板焼コーナーもある。また、和光丸山台店で新規導入したナチュラルチーズを使用した各種ドリアも販売していた。
インストアベーカリーでは、焼き立てピザのほか、やわらかな肉の食感が特徴の「プルドポークバーガー」などを販売する。駅前という立地特性から、仕事帰りのお客の需要を想定し、夕方18時以降の品揃えを強化するとしている。
以上のような施策により、川越霞ケ関店では年商18億円の達成をめざす。売上高構成比は、「生鮮」が35.5%、「デリカ」が15.8%、「グロサリー」が48.7%になると見込んでいる。
【店舗概要】
住所 埼玉県川越市大字的場2218-2
店長 中野渡弘明
営業時間 9:00~21:45
店舗面積 1861.33㎡(563坪)
年商目標 18億円(初年度 ※予定)
駐車台数 100台
駐輪台数 173台(うちバイク置場6台)
従業員 正社員16人、パート・アルバイト128人(延べ人数)