ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)は10月14日、埼玉県和光市に「ヤオコー和光丸山台店(以下、和光丸山台店)」をオープンした。同社が管理・運営する商業施設「the market place」の7施設目となる「the marketplace 和光」内への出店。若年単身世帯とファミリー世帯の多い地域で、ヤングファミリー層に特化した旗艦店モデルの構築をめざす。
ヤングファミリーを取り込む施策とは
和光丸山台店は、東武東上線、東京メトロ有楽町線・副都心線「和光市駅」から徒歩約12分、マンションや学校などが立ち並ぶ住宅地に新しくオープンした。売場面積は約2728㎡で、生鮮1330SKU、デリカ420SKUなど計15800SKUを扱う。施設全体の敷地面積は約9931㎡で、クリーニング店、無印良品、美容室、歯科などが11月中旬以降にかけて順次オープンする予定だ。
周辺は20~40歳代をボリュームゾーンとした単身・ファミリー世帯が多く、この層をターゲットとし20年11月に大改装を行った「ヤオコー 所沢北原店(以下、所沢北原店)」(埼玉県所沢市)をより深化させた店づくりを行っている。
重点的に取り組むのは、「素材の強化」「ヤングファミリー対応」「価格コンシャス対応」の3点で、うち「ヤングファミリー対応」では冷凍食品の強化とおやつの品揃え強化を打ち出している。冷凍食品売場はヤオコー最大級の売場面積を確保し、お菓子売場は4レーンに渡って展開。所沢北原店でも行った、日配のスイーツ、青果のカットフルーツ、デリカのスイーツなどを一カ所に集め、おやつ・スイーツ売場として展開する取り組みも引き続き実施している。ここでは、和光丸山台店が注力する「おやつ」の品揃え強化について詳しく見ていきたい。
充実のおやつラインアップ、冷凍おやつに注目!
青果では旬の果物をカットフルーツにして販売するほか、種類違いのぶどうを「ぶどうミックス」(100g/税込74円)として販売するなど、より手軽に果物をおやつとして楽しめるような工夫が随所に見られる。また、丸ごとのパイナップルをカットパインに加工することができる機械「パイナバー」を売場に導入。お客が自身で機械を操作して加工する、というレクリエーション要素もあり、ターゲットであるファミリー層の興味を引きそうな取り組みだ。
インストアベーカリーでは、店内製造のベビーカステラやフルーツどら焼き、きな粉ドーナツなど新商品を展開。さらに、モンブランクリームから店内で手作りした「渋川栗のモンブランタルト」や、フルーツやクリームチーズを使用したピザなど、幅広い年代・嗜好に対応できるおやつ商品を取り揃えている。
今回、とくに注目すべきは冷凍部門のおやつだ。ヤオコーのグループ会社である小川貿易(埼玉県/小林正雄社長)直輸入の、「マカロンアソート」(12個/税込842円)や、「チョコクリームエクレア」(4個/518円)を新たに導入。他にも冷凍おやつとして、エッグタルトやワッフル、クレープ、ドーナツ、シュークリームなどを取り揃える。いずれも通常であればあまり日持ちのしない洋菓子だが、冷凍とすることでいつでも・欲しい分だけ楽しむことができる。忙しい共働き世帯や、1人で少しずつ食べたい単身世帯などターゲット層から支持を集めそうだ。さらに、凍ったまま食べたり、他のスイーツのトッピングに使える冷凍フルーツも充実。イチゴやベリーなどは冷凍フルーツとしてよく見かけるが、和光丸山台店ではリンゴや白桃、梨など珍しいものも充実している。
おやつの充実の他にも、冷凍時短商品の充実や若い世代に人気の高いサーモンのラインアップ強化、埼玉県産黒毛和牛の導入など見どころの多い和光丸山台店。初年度売上は28億円をめざす。