ストア・オブ・ザ・イヤーの「商業集積」部門では、業界に影響を与えたショッピングセンター(SC)や商業施設を発表する。新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大で買物環境が激変するなかでも、果敢に新たな提案に挑戦した施設が上位にランクインしている。
ロボットや公式アプリ…デジタル活用が加速!
商業集積部門1位はイオンモール(千葉県/岩村康次社長)が埼玉県上尾市に開業したSC「イオンモール上尾」だ。同SCは「リアルとデジタルの融合」を掲げ、デジタル活用により、新しい買物体験と、コロナ禍でも安心して利用できる買物環境の提供に注力している点が特徴だ。
具体的には、建物外壁に320インチの大型LEDビジョンを採用。館内の随所にもデジタルサイネージや小型検索端末を設置し、専門店やイベントの情報などを発信する。
また、館内を巡回する自律走行案内ロボットを複数導入し、フロア案内を行うほか、飲食の専門店と連携し、スマホから注文された商品を館内の注文客の元へ届けるサービスにも挑戦している。
さらに核店舗の総合スーパー「イオンスタイル上尾」においても、ネットスーパーで購入した商品を、専用ロッカーで受け取れる「ロッカーピックアップ!」サービスを提供し、イオンモールとして初めて駐車専用レーンを設置。クルマで直接乗り付けて利用できるようにした。
今回、商業集積部門の5位には同じイオングループであるイオンタウン(千葉県/加藤久誠社長)の近隣型ショッピングセンター「イオンタウンふじみ野」(埼玉県ふじみ野市)もランクイン。同施設ではイオンタウン公式のスマホアプリを初めてリリースし、施設内の混雑情報をリアルタイム配信するとともに、専門店の商品の購入・注文から決済までをアプリ上で可能にして、店頭でスムーズに商品を受け取れる「モバイルオーダー」 サービスも提供する。
さらにはイオンタウン初のコミュニケーションスペース「cotokoto(コトコト)」も導入。レンタルルームやワークスペース、キッチンなどで構成される多目的空間で、コロナ禍でのリモートワークの普及により、居住する地域で活動する人が増えるなか活動や交流のための場を提供している。このように、イオングループの商業施設が、デジタルを積極的に活用しながら新しい生活様式に迅速に対応した施設開発で、多くの業界関係者から高い評価を得た。
ライフスタイルやコト消費の提案進む
2位は住友不動産(東京都/伊藤公二社長)が東京都江東区に開業した「住友不動産ショッピングシティ 有明ガーデン」だ。住友不動産が手掛ける、劇場やホテル、マンション、温浴施設などで構成される約10.7haの大規模複合街区「有明ガーデン」の中核施設として開業した。
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。