冷凍ヘルシーミールの定期宅配サービス「GREEN SPOON(グリーンスプーン)」を展開するGreenspoon(東京都/田邊友則CEO)は、現在、累計資金調達額が14億円を突破した注目のスタートアップ企業だ。コロナ禍を経て冷凍食品の需要がさらに伸長するなか、同社は若い世代の食事に対するニーズを巧みにとらえたサービスで支持を広げている。どのような商品開発を行っているのか、取材した。
コロナ禍で成長定期利用率が約9割
Greenspoonは2019年5月に設立。「自分を好きでいつづけられる人生を。」をビジョンに掲げ、冷凍ヘルシーミールの定期宅配サービス「GREEN SPOON」の企画・製造・販売を手掛ける。同サービスが生まれた背景には、サイバーエージェント(東京都)出身の田邊友則CEOが当時仕事で多忙な日々を過ごし、食事は外食やコンビニ食が中心となり、栄養の偏りや食事の単調さに課題感を持っていた原体験がある。
その後、田邊氏が海外で生活を送るなか、欧米を中心に海外ではジムに通うなど「セルフケア」が浸透しておりそれが自己肯定感の高さにつながっていると感じたこと、一方の日本では国民皆保険制度が整っているがゆえに健康の自己管理意識が低いという気づきがあった。
そこで、多忙でも自身の体に配慮した食事を手軽にとれるサービスを提供したいとGreenspoonを創業した。
まずは20年3月から、25種類の中から好みのレシピを選べる毎月定額制の「パーソナルスムージー」サービスを開始。地道な宣伝活動の結果、20~30代の単身女性の間で話題となった。ちょうど同時期に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症も同社の成長を後押しした。外出自粛生活が推奨されるなか、自宅で気軽に楽しめる商品が求められるようになり、各種メディアやインフルエンサーに多く取りあげられたのだ。また、飲食店の営業時間短縮により、中食や内食が増え、消費者が自炊をするうえで手間やメニューのバリエーションの少なさに課題を感じていたことも影響したという。
その後「GREEN SPOON」はスムージーのほかに、ホットサラダ、スープ、メーンディッシュの計4つにカテゴリーを拡大し現在、常時70種類以上のメニューを提供する。
食事にもメニューを広げたことで
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