イオンタウン(千葉県/加藤久誠社長)が2022年12月17日にオープンした都市型の小型ショッピングセンター(SC)「イオンタウン旗の台」(東京都品川区)。同SCには、オーガニック食品スーパー(SM)の「ビオセボン」とドラッグストア(DgS)の「ウエルシア薬局」が共同出店している。本稿では同施設の調査を基に、ウエルシアホールディングス(東京都/松本忠久社長:以下、ウエルシアHD)のフード&ドラッグ戦略を紐解いていく。※調査日:2023年2月17日、文中の価格はすべて調査日の本体価格
「ヘルス&ウエルネス」がテーマのフード&ドラッグ
「イオンタウン旗の台」には、1階の「ビオセボン」と「ウエルシア薬局」のほか、2階には飲食店として「マクドナルド」があり、2階から3階にかけて歯科、スポーツリハビリ、内科、耳鼻咽喉科、整形外科の5つの医療機関が入居している。同施設は「ヘルス&ウエルネス」をコンセプトに掲げており、イオンタウンが「都市型小型SCの新たな運営モデル」と位置づける施設だ。
私は今回の調査の前から、イオンタウン旗の台には注目していた。限られたスペースながら、東急池上線・大井町線「旗の台」駅の目の前という好立地に出店したことに加え、なによりすぐそばには昭和大学病院がある。医療や健康に対する住民の意識が高いと推察されるこの土地に「ヘルス&ウエルネス」をテーマとするSCを開発したのは素晴らしい。また、「木になるリニューアル」という改装を実施した「旗の台」駅(池上線部分)にあわせて、施設の外観には多摩地域の木材などを使用し、地域に溶け込もうとしている姿勢も好感が持てる。私はこれまで多くのフード&ドラッグの店舗調査に携わってきたが、イオンタウン旗の台のように、健康や環境を意識したフード&ドラッグは意外に少ない、というのが第一印象だ。
テーマ性のある商品開発に取り組むウエルシアHD
ご存じのとおり、DgSは医薬品で大きな粗利益高を稼げるため、日常生活に必要な食品を圧倒的な低価格で販売することで来店動機を創出している。しかし
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