クリエイトエス・ディー(神奈川県/廣瀨泰三社長)の最新店舗の1つが、昨年12月にオープンした「クリエイトS・D横浜西大口店」(神奈川県横浜市:以下、横浜西大口店)だ。横浜の中心部にほど近い、住宅が密集するエリアで、生鮮もフルラインで取り入れたフード&ドラッグ業態を出店した。同店の食品の商品政策(MD)や販売施策を分析したうえで、クリエイトエス・ディーが関東圏の食品小売市場に及ぼし得る影響について考察した。
※調査日:2023年1月17日、文中の価格はすべて調査日の本体価格
都市型立地の生鮮導入店舗
東急東横線「妙蓮寺」駅から歩くこと約10分、綱島街道沿いに横浜西大口店は店を構える。1階が駐車場、2階が店舗のピロティタイプで、1階から2階をつなぐ外階段にはエスカレーター(上り)が併設されている珍しい構造だ。また、駐車場は店内での購入の有無・金額にかかわらず無料。売場に至るまでのハードルの低さが、まずは印象的だった。
調査時、店の目の前には「野菜」「肉」とシンプルに記した幟(のぼり)が立てられていたほか、「店舗限定 青果大放出セール」「期間限定の大特価セール」と銘打った案内板に、セール対象の商品が紹介されていた。そこに掲載されていたのはすべて食品であり、幟と合わさって「食品の品揃えと価格訴求に力を入れている店舗」であることが強調されていた。
店内のレイアウトは大まかに、壁面沿いに移動していくとドラッグ商材のゾーンから始まり、奥で食品ゾーンに入るという流れ。生鮮・総菜も外部納品による自前での運営であり、都市型立地のドラッグストア(DgS)としては“フード&ドラッグ色”がひときわ目立つ売場構成だ。
筆者は本連載を通じて数々のフード&ドラッグ店舗を調査してきたが、そのほとんどが郊外・地方部に立地する店舗だった。それだけに、「みなとみらい」「横浜ベイブリッジ」などをすぐ近くに臨む横浜市内の住宅地で、このような生鮮強化型店舗が存在していることに、少なからず衝撃を受けた。
際立ったのは「圧倒的な安さ」
しかしそれ以上に驚かされたのは、「安さ」である。食品では、
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