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オイシックスがチョーヤと梅のアップサイクル商品開発 スーパー、コンビニでも販売する理由とは

食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地(東京都/髙島宏平社長:以下、オイシックス)は126日、チョーヤ梅酒(大阪府/金銅重弘社長)と共同開発したアップサイクル商品「梅酒から生まれたしっとりドライフルーツ」(税込538円)を発売した。本商品の共同開発に至った背景やねらいについて、両社から話を聞いた。

オイシックス、自社のサプライチェーン内に留まらないフードロス対策へ

「梅酒から生まれたしっとりドライフルーツ」(税込538円)

 食品宅配専門サービスの「Oisix」「大地を守る会」「らでぃっしゅぼーや」を運営するオイシックスは126日、同社が展開するフードロス解決型ブランド「Upcycle by Oisix」から「梅酒から生まれたしっとりドライフルーツ」(税込538円)を発売した。同商品の開発は、梅酒の製造販売メーカーとして知られるチョーヤ梅酒との共同で行われた。オイシックスにとって初の共同開発商品となる。

 オイシックスは現在、サステナブルリテール(持続可能型小売業)をめざすために「グリーンシフト戦略」を掲げている。アップサイクル商品(これまで捨てられていたものに付加価値をつけてアップグレードした商品)の開発は、その一環だ。同社はUpcycle by Oisixブランド商品の販売で年間500トンのフードロス削減をめざす。

 オイシックスは「梅酒から生まれたしっとりドライフルーツ」を「Oisix」などの会員向けに提供するほか、食品スーパーやコンビニ、コンセプトショップなどで幅広く販売する予定だ。オイシックスは今後も、こうした取り組みをチョーヤだけではなくさまざまな会社と協業していきたいと話す。同社が掲げるグリーンシフト戦略は、自社のサプライチェーンに留めず食品業界全体を巻き込みながら進めていく意向とのことだ。

 なお、チョーヤ梅酒は1月29日から2月28日まで、同社が出店するバー「The CHOYA 銀座BAR」で「梅酒から生まれたしっとりドライフルーツ」を使用したコラボメニューをコース料理として提供する。コラボメニューには「燻製梅ドライフルーツ」や「梅の実入りチーズホイップ最中」、「至極の薫製梅ぷりん」などがある。

「The CHOYA 銀座BAR」とのコラボメニュー

チョーヤ梅酒がアップサイクル商品に目をつけた理由

「梅酒から生まれたしっとりドライフルーツ」を盛り込んだお菓子

 「梅酒から生まれたしっとりドライフルーツ」の製造は、JA紀南が行う。チョーヤ梅酒が梅酒の製造に使用したJA紀南に戻し、そこでドライフルーツに加工してつくられる。従来、使用済みの梅の一部は家畜の飼料や農作物の肥料に使われるが、チョーヤ梅酒はその梅を有効利用したいという思いがあったようだ。

 チョーヤ梅酒の企画広報推進部次長の森田英幸氏は、「当社としては生産者が一生懸命つくった梅を、梅酒の製造に使ったあとも生かしたいという気持ちが強かった。そんな折、JA紀南さんからオイシックスさんを紹介してもらい、協業のもとアップサイクル商品化する運びとなった」と、共同開発に至った経緯を話す。

 続けて「(もともとは中国由来の植物である)梅の実を食べる日本独自の文化を大事にしたい。梅酒産業の活性化にもつながればいい」と森田氏は思いを語る。