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スンドゥブ市場、韓国ブームを背景に好調に推移、喫食経験率アップが目標

第4次韓流ブームの影響で韓国料理が人気を集めており、なかでも豆腐を使ったヘルシーなスンドゥブが注目されている。家庭で手軽に楽しめるスンドゥブの素市場も堅調に推移しており、今後、喫食経験率を上げることでさらなる需要が期待できそうだ。

丸大食品の「スンドゥブ」が5割近くのシェアでトップ

 韓国の家庭料理のひとつであるスンドゥブは、やわらかい豆腐でつくる鍋もので、韓流ブームの追い風もあり、日本でも人気を集めている。2007年には手軽に本場の味が楽しめるレトルトタイプの「スンドゥブ」を丸大食品が発売し、日本の食卓にスンドゥブを普及させてきた。

第4次韓流ブームの影響で韓国料理が人気を集めており、なかでも豆腐を使ったヘルシーなスンドゥブが注目されている(i-stock/bonchan)

 スンドゥブカテゴリーの販売金額構成比ランキング(2023年1月~12月)では、丸大食品の「スンドゥブ マイルド」がシェア28.60%でトップ、「スンドゥブ 辛口」がシェア19.63%で2位となった。この2商品でシェアは48.23%で、圧倒的な強さを誇っている。丸大食品の「スンドゥブ」は、本格的な味わいが支持され、08年から16年連続売上No.1※を継続しているブランド。唐辛子やにんにく、ごま油などをブレンドした辛味調味料の自家製タデギで競合商品と差別化を図り、高いリピート購入率となっている。

 そのほか、「辛そうなのに辛くないスンドゥブ」や「ごま豆乳スンドゥブ」、タデギとさわやかで刺激的な辛さが特長の青唐辛子を加えることで辛みをアップさせた「スンドゥブ 旨辛」もランクインした。同社ではカテゴリーリーダーとして、スンドゥブの素市場を盛り上げていくために、24年下期はプロモーションを強化。広告やキャンペーンのほか、SNSを活用した情報発信や喫食イベントなどで、ユーザーとの接点を増やして、喫食機会アップを図っていく。

モランボンが猛追、エスビー食品やニッスイが続く

 ランキング3位と4位には、コクと力強い辛さが特徴のモランボンの「スンドゥブチゲ用スープ 濃厚辛口」と、まろやかな味わいの「同 濃厚マイルド」が入り、シェアは両方で21.59%を獲得。生鮮売場での関連販売が好評で、昨年よりもシェアを大きく伸ばしている。5位には、あさりとビーフのだしに、3種の唐辛子を配合したエスビー食品の「菜館 スンドゥブチゲの素 辛口」、6位と7位には、あさり、ほたて、はもの3種の魚介旨味だしを配合したニッスイの「スンドゥブチゲの素」〈マイルド〉〈辛口〉が続く。

 そのほか、美山の「スンドゥブ」や、ダイショーの「スンドゥブチゲ用スープ 中辛」、キッコーマン食品の「まろやか豆乳スンドゥブ」などがランクインした。

 スンドゥブ市場はまだまだ小さいものの、手軽に楽しめる鍋ものとして家庭に浸透しつつある。ただ、喫食経験率が低いため、食べたことがない人にも喫食機会を広げていくことが必要だ。また、アレンジしやすいのがスンドゥブの魅力のひとつで、豆腐だけでなく、肉や野菜、魚介などの具材を入れても楽しめる。秋冬の鍋つゆ売場でも露出を図り、市場拡大につなげたいところだ。

※ 丸大食品スンドゥブシリーズ 丸大食品調べ(KSP-POSデータより)