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健康意識がますます高まり「低カロリー甘味料」の日常使いが浸透、拡大する市場をレポート

コロナ禍において健康意識が高まったことで大きく伸長している低カロリー甘味料。肥満症や糖尿病リスク者だけでなく、健康に気づかう一般の人にも広がっていることで市場を押し上げた。引き続き、市場拡大が見込まれている低カロリー甘味料市場をレポートする。

10月~2月まで2ケタ増 順調な右肩上がりが続く

 KSP-POSデータの低カロリー甘味料の期間通算(2020年10月~21年9月)の金額PIは890円で、対前年同期比11.3%増。低カロリー甘味料は、血糖値やインスリン値を上昇させないが、甘みをしっかり味わうことができるため、肥満症や糖尿病リスク者に活用されてきた。ここ数年はダイエットや美容のために取り入れる人が増え、若年女性へと広がりをみせている。

昨年は新型コロナウイルス感染拡大により、在宅勤務や外出自粛が求められたことで、おうち時間が増え、料理やお菓子づくりに利用される機会も増えている。 i-stock/kazuma seki

 また、昨年は新型コロナウイルス感染拡大により、在宅勤務や外出自粛が求められたことで、おうち時間が増え、料理やお菓子づくりに利用されたようだ。月別の金額PIをみると、前年の反動で前年割れとなった4月以外はすべての月で前年を上回った。とくに10月~2月までは2ケタ増となった。その後、やや落ち着いた感はあるが、9月には再び2ケタ増となっている。

 長引く外出自粛で、コロナ太りが気になる人が日常的に砂糖から低カロリー甘味料に置き換えているようだ。この1年で多くの人が低カロリー甘味料へ流入していることから、引き続き、継続購入を促進していくことが大切となる。

多様化するニーズに対応して各社それぞれの商品を投入

 形状タイプ別では、料理や冷たい飲み物にも使いやすい液状タイプが好調で、このカテゴリーをリードしているのが味の素の「パルスイート®カロリーゼロ液体タイプ」。同社では今年8月に「パルスイート®」液体タイプを新発売。同じ重さの砂糖と比較してカロリー・糖質・糖類を80%カットしながら、同社独自技術を活用することで、砂糖特有の「コクのある甘さ」を実現した。カロリーや糖質にこだわりつつもおいしさを求める層に訴求している。神木隆之介さんを起用したブランドの情緒価値を伝えるテレビCMも投下している。

 「シュガーカット」シリーズを展開している浅田飴では、今年9月に「ナチュレS」を新発売。一般的な低カロリー甘味料で使用されている3つの食品添加物を使用せず、おいしい甘さの「還元麦芽糖水飴」とステビア、とうもろこし由来の食物繊維だけで仕上げた。カロリーは砂糖の80%オフを実現した。おいしい甘さと植物由来の両立を求めるユーザーに訴求する。

 顆粒タイプでは、サラヤの自然派甘味料「ラカントS顆粒」が市場をリード。糖尿病リスク者はもちろん、ダイエットをする若年女性まで幅広い年齢層から支持されている。同社では、気軽にラカントを使ってもらうために、ラカントを使った菓子や食品なども発売しており、新たなユーザー獲得に貢献している。

 三井製糖では、多様化するニーズに対応して、さまざまな商品を展開。半分の使用量で砂糖のおいしさそのまま、上白糖を主原料に、高甘味度甘味料をプラスした「1/2上白糖」や、エリスリトールにスクラロースを加えた、カロリーゼロ、糖質ゼロの「おいしくってカロリーゼロ」、砂糖から生まれたパラチニットを主原料とした甘味料「パラチニット®スイート」などを品揃えして、あらゆるニーズに対応している。

 順調に低カロリー甘味料市場は拡大しているが、使用経験率はまだまだ低いため、店頭での露出を高めてトライアルを獲得したいものだ。