新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大の影響が長引くなか、食品スーパー(SM)の青果部門では今年の冬も、外出自粛を基本とした生活が続く点を念頭に、販売対策を立てることが重要となる。年末年始の外食や帰省、旅行などがなかなかできない環境下において、青果売場ではどのような提案を行っていくべきか、月ごとに詳しく解説する。
売上予測・対策で相場安による不振は防げる
世界的なコロナ感染拡大により、SM各社は2020年春から夏にかけて過去にないほどの好成績を上げた。21年上期についても、前年のような大幅な伸びこそないもののコロナ以前と比較すると好調な販売実績を残した。そんななか、売上高が前年実績を割る企業が多かった部門が青果である。
原因は青果物の相場安だ。21年上期は5月頃までは相場は堅調であったが6月以降、売上高構成比の高い野菜を中心に相場安に移行したことで売上高が前年割れとなった。
このように相場安が原因の業績不振はよくあることだ。しかし、いくつかの対策をすることでその売上減の幅を小さくすることは可能であり、それにより好調な売上を維持しているSM企業も少なくはない。
不振店の原因を探ると、相場安が予想される商品の把握が事前にできていなかったために、売上高が前年を割ってしまっているケースがよく見られる。現在はPOSデータで詳細に販売分析が可能なため、これを生かして対策をしっかり打てば売上が大きく落ち込むことは少ないはずだ。
まずはPOSデータで過去の販売実績を把握することが重要だ。さらに図表のような卸売市場の過去のデータや、家計消費支出データなども参考に、単品の売上高や売上高構成比を予測して不振の商品を特定し対策を立てるべきだ。
12月の販売対策
年末商戦の売上は全体の20%残り80%を強化へ
12月は年間最大の年末商戦がある。それに向けて毎年、多くの企業が綿密に販売計画を立てる。しかし、年末商戦はあくまで28~31日の4日間だけだ。
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