近年、少子高齢化や人口減による国内消費の先細り、低価格の追求による同質化などを背景に厳しい競争環境にある食品小売業界。さらに新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大によって消費環境も大きく変わりつつある。こうしたなかグロサリーの「販促の強化」を主テーマに、今取り組みたい「棚割り」と「販促手法」、さらに今後の「注目トレンド」について解説する。
●棚割り
売場づくりの基本「5適」
食品スーパー(SM)の商品政策が明確に表れる箇所の1つに「棚割り」がある。まずは、めざすべき棚割りの考え方や、その実施方法を解説していこう。図表❶は売場づくりの基本となる「5適」について整理したものである。
図表❶の縦軸にある「5適」とは、売場で追求するべき5つの状態を示している。まとめると、①適時:お客さまが買いたいときに、②適品:買いたい商品が、③適量:買いたい数量で、④適価:買いたくなる・買ってもいいと思う価格で販売されていて、⑤適場:買いたくなる売場演出がなされている状態をめざすというものだ。
図表❶の横軸は、その「5適」の要素をそれぞれ達成するために踏むべき過程を3段階で記したものだ。第1段階では、正しく現状を認識して売上が下がる要因を排除する、第2段階ではまず実践してみて、売上が上がる要因を追求する、第3段階では繰り返し改善して日常業務化し、売上(資金効率を含む)を上げる技術・仕組みの構築につなげる。
ここからは、図表❶の5適の実現のために棚割りで実践したいことを述べる。
①の適時においては、
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