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植物性ヨーグルト市場、健康や美容ニーズの高まりを受け市場は拡大基調に

豆乳のイメージ
i-stock/OlenaMykhaylova

高い伸びを続ける豆乳ヨーグルト

 KSP-POSデータによると植物性ヨーグルトの期間通算(2020年4月~21年3月)の金額PIは381円で対前年同期比24.7%増と大きく伸長した。健康や美容ニーズの高まりを受け、植物性ヨーグルトに注目が集まっており、なかでも乳酸菌や大豆イソフラボン、食物繊維といった栄養素が摂取できる豆乳ヨーグルトは順調に拡大している。豆乳ヨーグルトは豆乳を乳酸菌で発酵してつくられ、豊富な栄養素に加え、コレステロールゼロでカロリーも低めだ。乳製品を使用していないため、乳アレルギーの人に最適といえる。また、豆乳を乳酸菌で発酵させることでイソフラボンを吸収しやすくしてくれるため、50代以上の女性からの支持も高くなっている。

 月別にみると、1回目の緊急事態宣言期間の4月と5月はともに同40%以上の伸びで、解除後も高い伸びを続けている。19年11月にテレビの情報番組で豆乳ヨーグルトが取り上げられたことで一気に市場が拡大したため、20年11月はその反動で同4.6%増、12月は同0.1%増にとどまった。3月に再び、テレビで取り上げられたことがきっかけで、3月は427円で同24.2%増と大きく伸長した。

 順調に市場が拡大しているとはいえ、豆乳ヨーグルトの認知率は5割程度と低いため、テレビなどで紹介されると一気に需要は高まる。また、動物性のヨーグルトに比べ、商品ラインアップもまだまだ少なく、店頭でも目立っていないため、露出を図ることでトライアルを獲得することができそうだ。

各社ではCMやWEBなどでトライアルを促進

 ポッカサッポロフード&ビバレッジの「SOYBIO豆乳ヨーグルト」が好調に推移している。豆乳特有の豆くささを取り除く「おいしさ丁寧搾り製法」で、クセなくおいしく仕上げた。また、血清コレステロールを低下させる働きを持つ大豆たんぱく質を含んだ特定保健用食品「豆乳で作ったヨーグルト」も堅調に推移している。WEB広告やキャンペーンで新規ユーザー獲得を図っている。

 マルサンアイではこの春に「豆乳グルト」のパッケージをリニューアル。植物由来の乳酸菌「TUA4408L」で発酵させ、なめらかな舌触りを実現した。パッケージでは「植物由来の乳酸菌」を使用していることを大きく表示し、大豆イソフラボンやコレステロール0などを強調し、商品特長が伝わりやすいように変更。テレビC MやWEB、交通広告、キャンペーンなどで話題を喚起する。

 フジッコは20年3月に発売した「フジッコ大豆で作ったヨーグルト」を今年3月にリニューアル。新製法を導入することで、大豆をまるごと使用しながらも、さらになめらかでクリーミーな食感を実現した。自然な大豆風味を残しつつ、大豆特有のにおいや渋みだけを低減させることで、よりスッキリとした後味にした。

 栄養価に加え、サステナブルの観点から植物由来の食品に対する関心が高まっており、主要メーカーの商品開発も活発になってきている。今後も引き続き、トライアルを促進することでさらなる市場拡大につながりそうだ。