少子高齢化・人口減による国内消費の先細り、節約志向の高まりから来る価格競争の激化、そして新型コロナウイルス(コロナ)の感染拡大と、市場環境の変化にさらされている食品スーパー(SM)。そのSMの中で、最大のSKU数、品揃えを有する加工食品は、どのようにしてお客の支持を集める売場をつくれるか考察したい。
プロの提言!
▶個食対応から「ファミリー対応」の強化にシフトせよ
▶「総合的な買いやすさ」を追求せよ
▶地域の食生活への“貢献度”を認識しよう
保存性の高さから
コロナ禍で需要が急伸
まずは直近の販売動向をみてみよう。SM3団体が発表した2020年12月度(速報版)の『スーパーマーケット統計調査』によると、既存店ベースの売上高は食品全体では対前年同月比103.9%、一般食品(=加工食品)は同104.1%。同月の日本チェーンストア協会発表の『販売統計』(速報値)では、食料品全体で同104.0%、その他食品(=加工食品)は103.2%と、内食重要の伸びが堅調である。
次に、加工食品にフォーカスして具体的な消費動向を見ていきたい。図表は、20年3月の加工食品のカテゴリー別家計消費動向である。全48カテゴリーのうち33カテゴリーが、前年同月(19年3月)および前月(20年2月)実績の両方を上回った。加工食品全体では、対前年同月比111.0%、対前月比114.5%といずれも2ケタ増となっている。
とくに注目すべきはパスタ(対前年同月比143.8%、対前月比135.3%)だ。昨年4月の1回目の緊急事態宣言下では、買い置きしやすいパスタやパスタソースが品切れ状態になった。同様に小麦粉類、即席麺類、乾うどん・そば類、レトルトごはん類、カップ麺、米類など、保存がきいて、主食になるカテゴリーで需要が急伸。また、汎用性の高いケチャップ、レトルト調味料、乾燥スープ、果物・魚介の缶詰類、風味調味料、カレールウなどのレトルト食品などが継続的に買い求められた。
「個食対応」だけでなく「ファミリー対応」がカギに
ライフラインの最前線にある小売業の使命の1つは安定供給であるが、コロナ禍では、まとめ買いへの対応を含め、需要予測の精度向上と
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