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不二家、新たな価値創造に向けて素材・健康・環境配慮の新製品を発売

今年で創業110周年を迎えた不二家。上期は生活環境の変化で、「カントリーマアム」や「ホームパイ」などのビスケットカテゴリーが好調に推移した。下期は新たな価値創造に向けて、「ルック3(ホワイトラバーズ)」をはじめとした商品を投入していく。

3種のチョコを食べくらべ「ルック3(ホワイトラバーズ)」

 2017年に発売した「ルック4」の発売以来、好調に推移している「ルック」ブランド。ほかにはない「食べくらべ」ができることが人気で、19年は15年対比で34%増となった。この秋は、食感・香り・コクの違う3種類のホワイトチョコレートをアソートした「ルック3(ホワイトラバーズ)」を新発売。サクサクとした食感が楽しめる〈フィアンティーヌ〉、やさしい香りのマダガスカル産バニラを使った〈バニラ〉、濃厚な味わいが楽しめる〈プレミアム〉の3種類を、気分に合わせて選んで食べくらべができる。ホワイトチョコレートは10~20代女性に好まれていることから、若年層のファンを広げるのが目的だ。秋からは「ルック」ブランドの拡売に向けて、人気男性タレントを起用したテレビCMやデジタル配信を行っていく。それに合わせた店頭販促資材も用意している。

菓子事業本部 生産本部 商品企画部 商品企画二課 課長 板橋和範 氏

 健康志向の高まりにより伸長しているナッツチョコレート。とくに徳用ナッツチョコレートが伸長しており、不二家の商品は市場を上回って推移している。なかでも今年2月に発売したカカオ分70%のハイカカオチョコレートとローストピーナッツを組み合わせた「ピーナッツ習慣(カカオ70%)10P」が好調だ。1小袋あたり糖質7.4gなので、毎日続けやすくなっている。

 同商品の好調を受け、この秋にはカカオ分70%のハイカカオチョコレートとアーモンドの「アーモンド日課(カカオ70%)8P」を新発売。アーモンドを発売することで、ユーザーの選択肢を増やしていく。

環境問題に取り組みながら遊び心を加えた「ミルキー」

 一方、不二家を代表する商品のひとつで21年には発売70周年を迎える「ミルキー」。今年3月には国産原料にこだわり、新製法で、歯に付きにくいやわらかい食感を実現した「やわらかピュアミルキー」を発売。同商品の発売後も既存商品の売上が下がることなくプラスオンとなり、キャンディ市場を拡大した。

 8月には「120g ミルキー袋」の外袋を、プラスチックから紙パッケージに変更。環境問題に取り組みながら、紙ならではの「ぬり絵」デザインにした。ペコちゃんを自由に塗って楽しめる遊び心のあるパッケージとなっている。紙パッケージ化に伴う認知拡大のために、SNSでのキャンペーンなども行った。

 「カントリーマアム」「ホームパイ」に続く3本目の柱として9月に発売したのが、クッキーの新ブランド「ホロル」。ヨーロッパ伝統の焼き菓子をトレンドのほどけるようなホロホロ食感に仕上げたクッキーで、イギリス伝統の焼き菓子「ショートブレッド」と、スペイン・アンダルシア地方に伝わる「ポルボローネ」の2種類をラインアップ。くちどけのよい新食感のハードクッキーは、30~40代の女性からの支持が高いため、新ブランドの投入で新規ユーザーを獲得する。

 同社では、秋以降も同社の強みであるお菓子本来の楽しさを訴求することで、菓子市場の活性化を図っていく考えだ。