江崎グリコでは、秋冬の施策としてストックユースの「ポッキー」、「GABAフォースリープ」、「ビスコ」の3ブランドのリニューアルや新商品の発売を実施。コロナ禍における生活者の新たなニーズに応えていく。
コロナ禍を背景に伸長するストックユース
「おいしさと健康」をコーポレートメッセージとして、数々の菓子ブランドを世に送り出している江崎グリコ。新型コロナウイルスの感染拡大により、菓子カテゴリーも大きな影響を受けたが、ストックユースとして「ポッキー」「神戸ショコラ」「カプリコ」といった、大袋タイプの商品が好調に推移。とくに「ポッキー」は、宮沢りえさんが出演するドラマ仕立てのCMが好評を博し、家族との会話のきっかけをつくる菓子として、ユーザーのすそ野を広げている。
自宅で過ごす時間が長くなったことで、健康に関する意識も高まっている。昨年9月に発売したγ-アミノ酪酸(GABA)を配合する機能性表示食品「メンタルバランスチョコレートGABAフォースリープ〈まろやかミルク〉」は、睡眠の質を高めたいというニーズをとらえ、好調に推移。また外出自粛に伴う内食需要の高まりを受けて、「チーザ」のような酒のつまみに最適なスナック菓子も動きがよいという。
江崎グリコでは秋冬の重点施策として「巣ごもり消費拡大に伴うストックユース」、「『GABAフォースリープ』の強化」、「『ビスコ』15年ぶりのリニューアル」の3点を掲げ、販促を強化していく。
素材感と健康感打ち出す「ビスコ素材の恵み」
「巣ごもり消費拡大に伴うストックユース」では、コロナ禍のニューノーマルにおける伸びしろのある商品群として、既存の「ポッキー午後の贅沢」をリニューアルし、「ポッキー贅沢仕立て」として、リブランドした。同ブランドは発酵バターが香るさっくりビスケットと濃厚なミルクチョコレートを組み合わせた〈ミルクショコラ〉、ナッツが香るさっくりビスケットとやさしい甘さのアーモンドミルクチョコレートを組み合わせた、〈アーモンドミルク〉の2種を展開。とくに〈アーモンドミルク〉は同社の長年のアーモンド研究が生かされた、大人も楽しめる贅沢な味わいとなっている。
第2の施策である「『GABAフォースリープ』の強化」では、「いつ食べるのが適切なのかわかりにくい」というユーザーからの声を受け、「おやすみ前の3粒習慣」を新たなキーメッセージとし、パッケージに記載。喫食方法を明確にすることでトライアルバリアの払拭と、効果実感によるリピートを促進する。またみやぞんさんを起用したテレビCMでも「おやすみ前の3粒」をメッセージとして伝えることで、同品の機能や商品特長を伝えていく。
第3の施策である「『ビスコ』15年ぶりのリニューアル」では、全商品で、ビスケット生地の全面改良とクリームのバランスを調整。ビスケットを薄くさらに香ばしくしたほか、クリームを20%増量したことで、くちどけが圧倒的によくなった。
また新商品として「ビスコ素材の恵み」を発売する。同品は大豆パウダーを練りこんだビスケットにミルクときなこのクリームをサンドした〈大豆〉と、全粒粉を練りこんだクラッカーにチェダーとカマンベールチーズクリームをサンドしたほんのり塩味の〈全粒粉〉の2種をラインアップ。乳酸菌や食物繊維の健康感に加え素材感を打ち出すことで、健康意識の高い女性に訴求する。江崎グリコでは今後も生活者に寄り添った商品開発とコミュニケーションにより、菓子市場全体を盛り上げていきたいとしている。