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くらこん、健康意識の高い人に向けた新しい提案「Good for Vegans」「HUMMUS(ハムス)」=2020年秋冬 注目マーケティングトレンド

2020年秋冬マーケットトレンド

欧米を中心に世界中で増加傾向にあるヴィーガンやベジタリアン。日本ではまだまだ少数派だが、将来的な需要拡大を見越してくらこんでは「Good forVegans」と「HUMMUS(ハムス)」をシリーズ展開している。認知拡大を図りながら、導入店舗を広げていく取り組みを行っている。

動物性原料を一切使用しない「Good for Vegans」シリーズ

 肉や魚に加え、卵・乳製品・はちみつも口にしない「完全菜食主義者」のヴィーガンは、欧米を中心に世界中で増加している。日本ではまだまだ少数派だが、将来的な需要増を見越して、くらこんでは5年ほど前から商品開発に着手。2017年7月に「Good for Vegans」シリーズを発売した。このシリーズは「完全菜食主義者」のヴィーガンにも対応し、同社が得意とする海藻や豆などを主体とした商品に仕上げた。ヴィーガンの人はもちろん、自分のライフスタイルに合わせて意識的に動物性食品を減らす食生活をおくるフレキシタリアンもトライアルしやすいように、パッケージなどを工夫した。

 また、健康意識の高い人も手にとってもらえるようにスーパーフードなどの栄養価の高いヘルシー素材や、厳選された原料、グルテンフリーなどの時流に応じた原材料を選定し、おいしさも追求した。

 商品のラインアップは、つくねやハンバーグなどが簡単につくれる調理食品と、電子レンジで温めるだけのパウチ入りの食品、昆布とハーブを使った洋風だしパック、インスタント飲料、大豆ミートやサラダこんぶなどの素材など、13アイテムを展開しており、この9月には飲料カテゴリーに「アーモンドラテ」を追加する。化学調味料や着色料、保存料などの添加物は一切不使用。簡便食品に加え、素材も品揃えしているので、どんな食シーンにも対応した便利なシリーズとなっている。

導入店舗が増えて売上は右肩上がり

 同社では「Good for Vegans」シリーズのコーナー化を提案。発売当時は高級スーパーや百貨店での取り扱いが中心だったが、昨年からプラントベースミートなどがトレンドになっていることで、量販店からの注目が高くなっている。とくに簡単調理食品やパウチ入り食品、大豆ミートのニーズが高い。導入店舗が増えていることもあり、シリーズの売上は、前年に比べ約170%で推移している。 

 これまでは自然食品の店や通信販売で購入するしかなかったヴィーガン向け食品を取り扱うことで、新たな顧客獲得という小売店にとってもメリットは大きいといえそう。今後は店頭での試食販売や販促物などの提案も行っていく。

 同社では来春に向けて品揃えを強化する予定で、ヴィーガンはもちろん、健康意識の高いフレキシタリアンにも広く認知を広げ、ファンを広げていく考えだ。

アメリカのセレブやモデルも注目ひよこ豆のペースト「HUMMUS(ハムス)」

 健康意識の高いアメリカのセレブやモデルの間で注目されているHUMMUS(ハムス)。最近は日本でもレストランやカフェなどで目にする機会が増えている。HUMMUS(ハムス)とは、豆の中でも栄養価が高い「ひよこ豆」を茹でてペースト状にし、ごまペーストやレモン果汁、香辛料などで味つけをしたスーパーフード。アメリカでは主に野菜やチップスに付けたり、サラダ、サンドイッチの具として食べられている。

 高たんぱく、低カロリーのHUMMUS(ハムス)が日本でも受け入れられることを見越して同社では17年7月に「KURAKON HUMMUS(くらこん ハムス)」を発売。クミンやガーリック、レモン果汁などでさわやかな味つけにした「オリジナル」、唐辛子のピリッとした辛さを効かせた「マイルドスパイシー」、トマトのうま味や酸味に、バジルのさわやかな香りを効かせた「トマト&バジル」の3品を展開。食品添加物不使用でフレッシュなおいしさにこだわったため、チルドで提案している。

 本場の味を参考にしつつ、日本人好みの味に仕上げたため、味に対する評価が高く、リピート率は8割以上となっている。さらに、店頭での視認性を高めるため、7月からスリーブをつけて展開する。また、9月には4品目の「ユズ」を新発売。ひよこ豆ペーストに、ねりごま、ゆず果汁などで味つけしたさわやかな酸味とほのかな甘みが特長で、ガーリック等の香辛料を一切使用していないため、食べやすい味わいだ。アメリカにはないフレーバーなので、インバウンドにも人気が出そうだ。

トライアルを獲得するため店頭での試食販売に注力

 発売当初は高級スーパーでの展開が中心だったが、昨年、リニューアルし、店頭価格を引き下げ、賞味期限を15日から30日まで延長したところ、取り扱い店舗が増え、物量では前年の150%で推移している。

 発売当初からテレビCMや雑誌広告などで認知拡大を図ってきたが、同社がとくに力を入れてきたのが店頭での試食販売。実際にどんな味なのか知ってもらうことで、確実に購買に結びつくことから今後も試食販売は可能な範囲で行っていく予定だ。

 引き続き、認知を拡大するためにベジタリアンのイベント参加や導入企業とのタイアップで露出アップを図っていく。また、10月から12月はハロウィンやボジョレー、クリスマスなどパーティーシーズンなので、自宅でHUMMUS(ハムス)を使ったカナッペなどの食シーンを提案。ブランドサイトなどでレシピを発信している。