梅雨が明け、夏本番がやってきた。 コロナ禍で、マスク着用がエチケットとされる今年の夏。蒸し暑い日が続くことが予想される中、熱中症対策の水分補給では、どのような飲料が飲まれているのだろうか。消費者意識調査から見えてきた、若い世代とシニア世代でギャップとは何か。
「水分補給の飲み物」は世代間でギャップあり!?
日用品の国内流通の情報基盤を運営するプラネットが、全国4000人に対して実施した消費者意識調査(調査期間:2020年7月7日~9日)によれば、夏の水分補給で飲む飲料は、世代間で大きなギャップがあることがわかった。
「あなたがこの夏、水分補給としてよく飲んでいるものを教えてください」という設問で、最も回答が多かったのが「水(水道水、ミネラルウォーター等)」で、全回答の67.6%を占めた。夏は「“水”分補給を忘れずに」と毎日のように呼びかけられることもあってか、どの世代でも圧倒的に回答が多かった。
次に回答が多かったのが「麦茶」で、全体の46.2%が回答。夏の定番飲料として、高い支持を集めているようだ。以降は、「コーヒー・コーヒー飲料」「緑茶」「スポーツドリンク」と続く。
見えてきたシニアの「牛乳好き」
質問への回答を世代別に見ていくと、意外とも言える事実が見えてきた。それが、いわゆる「シニア世代」と呼ばれる70代以上(70歳以上)の「緑茶」、そして「牛乳」への支持の高さだ。
70代以上の回答を全世代の平均値と比較しながら見ていくと、「緑茶」は全世代平均から14.8ポイント(pt)高い50.9%、牛乳は19.7pt高い40.3%だった。とくに、牛乳への支持が厚いことがわかる。今回の調査における最も若い世代である20代と比較すると、「牛乳」では25.9pt の世代間ギャップがあった。
全世代で「牛乳」と回答したのは20.6%と、回答数で6位にとどまっていることを踏まえても、シニア世代の“牛乳好き”が突出していることがわかるだろう。70代以上は1950年以前に産まれた世代である。牛乳を飲んで育った経験が、牛乳志向につながっているのだろうか。
いずれにせよ、今回の調査からはシニア世代の“牛乳好き”の傾向が見えてきた。この夏、食品小売関係者は、シニア世代に向けた熱中症対策として牛乳を提案してみてもいいかもしれない。
<調査概要>
株式会社プラネットが調査企画した「暑さ対策調査」について、「アイリサーチ」(株式会社ネオマーケティングが運営)を通じて、全国4000人を対象にインターネットでアンケート調査を行った。アンケートは2020年7月7日~9日にかけて実施し、回答を得た。
調査質問における選択肢は、水、麦茶、コーヒー・コーヒー飲料、緑茶、スポーツドリンク、牛乳、炭酸水、炭酸飲料、ウーロン茶・中国茶、野菜ジュース、紅茶、乳酸菌飲料、ほうじ茶、果汁100%ジュース、ハーブティー・その他お茶、果実飲料・ソフトドリンク、白湯、その他の全18項目。