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2019年秋・冬 新商品ヒットランキング=特集:売場活性化のためのMD EDITION

2019秋冬ヒットランキング

時代のニーズに合わせてリニューアルした新商品がヒット

カテゴリーの活性化に加え、トレンドを先取りし、購買を喚起する新商品は、小売店にとって重要な役割を果たしている。そこで今回は、2019年秋・冬の新商品を対象に売上金額を集計し、各部門の1位を抽出。ヒットした新商品の傾向を探った。

カテゴリーごとのランキング1位商品 ダイヤモンド・チェーンストア誌6月1日号より

形態を変えることで新たな需要を掘り起こす

 2019年7月~12月に新商品・リニューアル新商品として発売された商品の売上を集計し、期間金額PIでランキング化したところ(販売店率20%以上の商品が対象)、カテゴリーごとのランキング1位商品は、上記の図表に示す結果となった。

 ランキングをみると、ニーズが多様化していることから、かつてのように大ヒットする新商品は少なく、主力ブランドのエクステンションやロングセラーブランドのリニューアルなどが多い。また、時代のニーズに合わせて形態や容量を変更する商品も目立っている。

 分量の調整がしやすく使い勝手のよいチューブタイプを発売した中華調味料部門の味の素「Cook Do(R)」<熟成豆板醤>チューブタイプや、開封後も再度フタをして保存できる野菜缶詰部門の井村屋「カップゆであずき」などがその代表例だ。畜産缶詰部門の日本ハム「ストックポーク」は、従来のランチョンポークとは違いヨーグルトのようなおしゃれなパッケージで、使いたい量だけスプーンですくって使える便利さを兼ね備えた容器を採用。常温保存ができるのでストックしやすい利便性もある。

 また環境に配慮して容器を変更しているのが、ごま油部門の竹本油脂「マルホン胡麻油ペットボトル」で、300gと450gの大容量を瓶から女性でも持ちやすいスリムなペットボトルにしている。豆乳・大豆飲料部門の大塚食品「スゴイダイズ無調整タイプ950ml」は、19年8月にチルド保存品から常温保存可能品に全面リニューアルした。

 すでに市場にある商品でも容器や形態を変えることで、新たな需要を掘り起こせることを証明している。

トレンドをおさえた新感覚の新商品が好調

 リニューアルやフレーバー展開が多いなか、新感覚の新商品もランキングトップに輝いている。ごま部門の真誠「クラッシュアーモンドすりごま」は、クラッシュしたアーモンドを30%配合したすりごまで、ごまとアーモンドが持つ豊富な栄養素が手軽に摂取できることから、健康や美容意識の高い女性から支持されている。

 ガム部門で1位になったロッテの「マイニチケアガム〈ストレスや疲労感を軽減するタイプ〉」は、GABAを配合したガムでストレスや疲労感を軽減する初めての商品。ガムという身近な食品で手軽にケアできることから人気となっている。

 そのほか、レンジ調理で簡単に「ひとり鍋」が楽しめる豆腐部門の相模屋食料「麻婆豆腐鍋 中辛」など、トレンドをおさえた新商品が好調だ。