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約100チェーン約5000店舗が利用!「cookpad storeTV」で変わる店頭販促の新しいカタチとは?

日本最大の料理レシピ投稿・検索サービスを展開するクックパッドから分社化し、2018年4月に誕生したcookpadTV。料理動画と広告動画を組み合わせた、自社開発の料理動画配信サイネージ「cookpad storeTV」は、来店客・流通・広告主のいずれにとってもメリットの高い販促ツールとして注目を集めている。

クックパッドの投稿レシピの中で、すでに支持されているレシピに加え、話題の食材・料理を自社制作し動画化

「cookpad storeTV」の開発のきっかけ

 クックパッドの料理動画事業部として17年11月に事業をスタートさせ、18年4月に分社化して誕生したcookpadTVでは、全国の流通チェーンと連携し、売場で料理動画を配信している。そのツールが、自社開発の料理動画配信サイネージ「cookpad storeTV」だ。

ストア事業部 部長 本澤友行氏

 「開発のきっかけはユーザーの声」と話すのは、ストア事業部部長の本澤友行氏。献立がなかなか決まらず、スーパーに行って売場を回りながら食材を決めた後、スマホでクックパッドのアプリを開いてレシピを決め、必要な商材を購入する。こうした一連の行動が悩ましく、とくに子連れで買い物に行くと、アプリを開くのも大変だという声がよく聞かれた。

 「そこで、私たちの資産であるユーザーからの投稿レシピを使って、課題解決できないかと考えてつくったのが『cookpadstoreTV』です。

クックパッドから約2500本の料理動画を無償提供

 わざわざ売場でアプリを立ち上げなくても、クックパッドの料理動画が見られて、献立のヒントが得られるというもので、動画はコツとポイントをおさえた15秒で設計。つくり方を覚えてもらうのではなく、インスピレーションを持ち帰ってもらうことをベースにしています」(本澤氏)

 とはいえ、 動画連動POP/画像ダウンロードサービス「cookpad POP」も用意し、レシピの印刷物を配布したい店舗の期待にも応えている。これらはチラシ掲載などにも活用できる。同社ではこれら2つをセットにして、SMやGMSに提供している。

 「自社で販促用の料理動画を制作する場合、コンテンツから制作しなければならず、サイネージのリース料もかかり現実的ではありません。『cookpad storeTV』なら、クックパッドの人気レシピを中心に約2,500本の動画が無償で使えます。来店客にとっても、店内でアプリを立ち上げる手間を省くことができます」(本澤氏)

15秒でコンパクトにまとめられているので、料理動画を立ち止まって見る人が多い

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cookpad StoreTVにはメーカー側にもメリットが

「cookpad storeTV」は広告動画も配信することができる

新たな取り組みとして、55インチの端末を使ったオンラインデモンストレーションサービス「cookpad storeLive」のテスト設置も進む

 「cookpad storeTV」は、来店客や流通にとってメリットがあるだけではない。実は、15秒の料理動画が4回流れた後に、最大30秒の広告動画を1回配信しており、同社ではその枠を食品・飲料メーカーや調理器具メーカーなどに販売している。

 「スーパーでお財布とカゴを持っている状態で、『何か買わなきゃ』というマインドのところに広告動画が流れるので、広告主にとっては魅力的といえます」(本澤氏)

スーパーのクロスMDにも貢献できる「cookpad storeTV」

 広告動画は、売場になじむようにレシピに落とし込んだ内容のもので、同社が制作する。たとえば、水産売場でヨーグルトの広告を流すなら、「ヨーグルトとみそを合わせた中に魚を漬け込んでから焼くと、味がまろやかになるので、魚を買うときにヨーグルトも一緒に買いませんか?」といった提案型だ。こうした広告を流すことで、クロスM D が可能になることも「cookpad storeTV」ならではの強みだ。実際、キャラメル×リンゴといった、これまであり得なかったクロス販売で大成功を収めている。

 「『cookpad storeTV』は操作が簡単なうえ、当社とオンラインでつながっているので、自動的にレシピを追加します。それゆえ、現場で判断して、動画を替えることも手軽にできます」(本澤氏)

 現在、北海道から沖縄まで、約100チェーン約5,000店舗が利用しているが、これまで全店導入後に、利用を止めた流通は皆無だ。同社では今年度中に6,000店舗の導入をめざす。

[文=室作幸江]