メニュー

[AD]日清シスコのロングセラー菓子の秘訣とは

日清シスコ(左)マーケティング部 第二グループ ブランドマネージャー 石田 晃三 氏、(右)マーケティング部 第一グループ ブランドマネージャー 杉本 和久 氏
日清シスコ(左)マーケティング部 第二グループ ブランドマネージャー 石田 晃三 氏、(右)マーケティング部 第一グループ ブランドマネージャー 杉本 和久 氏

愛され続ける日清シスコのロングセラー菓子「シスコーン」「ココナッツサブレ」「チョコフレーク」

グラノーラ・コーンフレークといったシリアルや菓子の分野で、常に新しい価値を提案し続けている日清シスコ。同社には、発売から50年以上の歴史をもつ3つのロングセラーブランドがある。時代が変わっても今なお多くのファンに支持され、成長し続ける理由を各ブランドマネージャーに聞いた。

ロングセラー菓子の誕生!日本のシリアル・菓子市場に新しい風を送り込む

── それぞれのブランドが誕生した経緯や発売当時のお話をお聞かせください。

マーケティング部 第二グループ ブランドマネージャー 石田 晃三 氏

石田 「シスコーン」は、1963年に国産のコーンフレークとして誕生しました。当社の創業者が、アメリカの朝食として親しまれていたコーンフレークを日本の食卓に取り込みたいと考え、日本向けに研究・開発したことがはじまりです。チョコ味、いちご味、オレンジ味といったフレーバー展開に早い段階から取り組んでいたことや、キャラクターを使ったTVCMなど現在と同様に子供向け商品として展開していました。

 その後、1965年に「ココナッツサブレ」が発売されました。その頃の日本には、どちらかというとシンプルな味わいのビスケットが多かった中、リッチな風味のビスケットとして誕生した商品です。当時はそれが斬新で、とても売れたと聞いています。発売当時、ココナッツといえばハワイを連想する人が多かったことから、ハワイをイメージしたテレビCMなども放映していました。

杉本 「チョコフレーク」が誕生したのは、「シスコーン」の発売から5年後の1968年のことです。当社はもともと菓子メーカーとして創業し、チョコレート商品も発売していたので、シリアルと菓子の両事業の技術を融合させた新商品として開発されました。「シスコーン」で培ったサクサクとした食感のおいしいコーンフレークに、チョコレートを組み合わせるという発想から生まれたチョコレートスナックで、発売当時は箱タイプのパッケージでしたが、1985年から袋タイプに変更。薄焼きのコーンフレークをチョコレートで固めた「クリスプチョコ」など、さまざまなバリエーション展開を行い、ブランドを育成してきました。

ロングセラー菓子を生み出すマーケティング施策

各商品パッケージの変遷

── 各ブランドともロングセラーでありながら近年めざましい成長を遂げていますが、どのようなマーケティング施策を展開してきましたか。

マーケティング部 第一グループ ブランドマネージャー 杉本 和久 氏

杉本 2018年に発売50周年を迎えた「チョコフレーク」は、お客さまのライフスタイルの変化にあわせて大幅なリニューアルを実施しました。世帯人数の減少や高齢化によって“チョコっとずつ食べたい”というニーズが増えてきたことに対応し、袋タイプのパッケージから“食べたい分を食べたいときに食べられる”便利なチャック付きスタンドパックに変更したことが最大の進化です。また、コーンフレークはもちろん、チョコレートの味わいをさらに追求しようと、2016年にはカカオの配合を見直しています。マイルドなコクのガーナ産カカオと華やかな香りのエクアドル産カカオをブレンドした“Wブレンドカカオチョコレート”に改良し、カカオのコクと香りをアップさせています。

 また、数点あったバリエーションを「チョコフレーク」に統合してブランドフォーメーションを変更したことも奏功し、2013年から2018年までの5年間で売上は約1.5倍に伸長しました。とくに近年は2ケタ成長で推移しています。

石田 「シスコーン」は、2017年に「シスコーンBIG」シリーズを従来の箱の形態からチャック付きスタンドパックに変更しました。“コーンフレーク=箱入り”というイメージをもつ方も少なくなかったためチャレンジングな施策ではありましたが、使いやすさや保存性が向上したと高く評価していただいています。また、箱に比べてかさばらないので店頭に置いていただける数も増え、リニューアル以来右肩上がりで売上が伸長しています。あわせて、近年は“お子さまの健やかな成長を応援したい”という思いから、栄養面の強化に加え、親子で楽しめるオリジナル動画の配信やイベントなどの施策を展開。現在は、販売個数、販売金額ともに1位となり、国内コーンフレークの「No.1ブランド」に成長しています。

 一方、「ココナッツサブレ」は、2015年の発売50周年を機に若年層向けのコミュニケーションをスタートしたことが大きな転機になりました。購買層の高齢化が進む状況を脱却しようと、人気女性アイドルグループをイメージキャラクターに起用。WEBを活用したプロモーションに加え、彼女たちをプリントしたパッケージの商品を投入するなど、コミュニケーションと店頭を連動させた施策が、ブランドの活性化につながりました。さらに、2016年には従来の22枚入りのパッケージを5枚×4パックの「小分け」に変更したことも大きな変化です。最後まで開けたてのおいしさが楽しめるようになったことに加え、持ち運びしやすく、シェアしやすくなったとご好評をいただいています。

次ページは
ロングセラーブランドの継続的な育成方法とは?

ロングセラーブランドを継続させる取り組み

── ロングセラーブランドの継続的な育成について、どのように考えて取り組んでいますか。

石田 ロングセラーブランドを育成していく上で、まずはそのブランドの「コアバリュー」を見極めることがとても重要だと考えています。たとえば、ココナッツサブレでは、サクサクッとした食感やココナッツ独特の風味です。コアバリューを残しながら、時代とともに変化していくお客さまのニーズをくみとって進化させていくことが必要だと思います。

 一方で、期間限定商品などについては、攻めの施策にも積極的に取り組んでいます。今年5月には、「ココナッツサブレ」と暑さ対策日本一としても知られる埼玉県熊谷市がコラボした「ミネラル塩サブレ」を発売しました。自治体とのコラボレーションは当社としても初の試みであり、多方面から大きな反響をいただいています。

杉本 定番商品を維持しながら、期間限定品やバリエーションの展開などによりブランドの鮮度を維持していくことはロングセラーブランドを育成する上で重要な取り組みのひとつです。

 「チョコフレーク」も、今夏はシリアルメーカーならではの新しい食べ方提案として、【牛乳をかけてもおいしい】とデザインしたパッケージを展開しています。冷たい牛乳をかけてスプーンで食べることにより、夏でもおいしく、手を汚さずに「チョコフレーク」をお楽しみいただくことができる食べ方です。また、これにあわせて、牛乳をかけることで人気のカフェモカの味わいを手軽に楽しめる「チョコフレーク カフェモカ味」を6月10日に期間限定で発売しました。

 時代の移り変わりに伴って数々のブランドが姿を消していく中で、当社は時代によって多様化する消費者ニーズに対応したマーケティング施策を行うことにより、ロングセラーブランドの売上を伸ばしてきました。50年以上におよぶロングセラーということは、長年支持してくださっているロイヤルユーザーも数多く存在するということです。変えてはいけない本質的な価値を守りながら、お客さまのニーズに応じて少しずつ進化していくことの積み重ねが、ブランドを育てる大きな進化につながると考えています。