徐々にコロナ禍の行動制限が緩和され、通常の日常生活に戻りつつある昨今。来年の春は3年ぶりのイベント再開も見込まれ、ハレの日ニーズも期待できそうだ。しかしその一方、消費者の節約意識は高まっている。そうしたなか、総菜部門ではどのような仕掛けが必要なのか。本稿では、来年冬~春にかけての商品開発やイベントに合わせた販促のヒントを提示する。
ハレの日需要が復活
まず、2022年のおさらいから始めていく(図表❶)。年明け早々にオミクロン株が拡大し、1月下旬には1都12県でまん延防止重点措置が取られ、自粛の冬だった。天候面では2月を中心に冬型の気圧配置が強まり、北日本、日本海側では大雪に見舞われた。
最大のニュースは2月24日のロシアによるウクライナ侵攻だ。あらゆるものの価格高騰など私たちの生活にも大きな影響を与えた。さらなる円安が価格高騰に拍車をかけ今に至っている。
また、日々の生活、小売業の営業体制に大きな影響を与えたのが3月22日に突如発表された「電力需給ひっ迫警報」だ。これは、3月16日の福島県沖地震により火力発電所が停止し、22日に気温が急低下したことにより発表されたが、今でも照明の一部を切るなどして節電を続けている店も少なくない。
では23年はどうであろうか。すでに3~4月の首都圏の私鉄運賃値上げが決定しており、値上げの波は継続基調である。天気予報では、1~2月にかなりの確率で寒くなると予想されている。さらに政府の節電要請(22年12月~23年3月)もあるなか、ひとたび地震発生による発電停止となれば、「ブラックアウト」(全域停電)も現実味を帯びてくる。
年明け早々厳しい環境が予想されるものの、明るいニュースもある。コロナ禍からの平常化により人流は活発となり、行楽需要やインバウンド消費などが期待できる。卒業式や入学式など節目の行事は通常どおり行われそうだ。節約基調でも、消費者はハレの日にはしっかりお金をかける傾向にある。年中行事・イベント対応は強化したいところだ。
総菜の節約対応は「増量」「よりどり」「メニュー提案」
売り手としては、原材料を中心にあらゆる経費が上がるなか、少しでも
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