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日常の水分補給飲料に変化「アクエリアス経口補水液」、ストックとしてまとめ買いが増加

2022年春・夏 新商品ヒットランキング スポーツドリンク部門

日本コカ・コーラの「アクエリアス」は日々の生活の中で前向きに進む人をサポートするブランドとしてコミュニケーションを一新。なかでも「アクエリアス 経口補水液」はたくさん汗をかいた体が求める水分と電解質をすばやく補給できることから、30~50代男性ユーザーの支持を集めている。

スポーツ時の水分補給飲料から日常のコンディションメイク飲料へ

 日本コカ・コーラの「アクエリアス」は1983年から続くスポーツドリンクカテゴリーを代表するブランドだ。

 近年、スポーツ人口は増えているが軽いジョギングやストレッチなどの場合、水や無糖茶で水分補給する人も多い。そのためスポーツドリンクの市場は昔ながらの部活動など激しい運動を行う人口の減少に伴い、年々縮小傾向にあった。

 しかし2022年に入るとその動きは大きく変化し、スポーツドリンク市場はコロナ禍前の水準まで回復してきている。

 これは「アクエリアス」ブランドのコミュニケーションの変化も大いに関係している。日本コカ・コーラの調査によるとスポーツシーンでスポーツドリンクを飲用するのは全体の20%程度であり、残りの80%は仕事中や勉強中、家事の合間など、日常のシーンで飲まれていることがわかった。同社ではこの調査を受けて、22年よりコミュニケーションを一新。これまではスポーツ選手を起用したCMを多数投入してきたが、今夏はCMに広瀬アリスさん、生瀬勝久さんを起用。飲むコンディションメイクをコンセプトに日常の水分補給飲料として「アクエリアス」を訴求し、新規ユーザーを獲得した。

リニューアルにより「アクエリアス」ブランドのひとつとして存在感が高まった「アクエリアス 経口補水液」。飲用シーンやライフスタイルに合わせ選べる豊富なラインアップはブランド最大の魅力となっている

 一方、スポーツドリンクカテゴリー内の経口補水液は、夏場の熱中症対策としての認知が広がり右肩上がりで成長しているサブカテゴリーだ。17年発売の「アクエリアス 経口補水液」はすっきりとした柑橘フレーバーでたくさん汗をかいた体が求める水分と電解質を手軽にすばやく補給できる商品。家庭内のストックとしてまとめ買いするシニア層も多く、好調に推移する。しかし、他の「アクエリアス」商品とボトル形状やパッケージデザインが違うことで、同じ「アクエリアス」ブランドとして視認されないという課題も同時に抱えていた。このことから同社は「アクエリアス 経口補水液」のパッケージを一新し、22年5月にリニューアル発売した。

視認性の向上で新規ユーザーを獲得

 リニューアルした「アクエリアス 経口補水液」のパッケージは、他の「アクエリアス」と同じ形状のボトルを使用するなどトーン&マナーを揃えることで統一性を持たせたほか、ボトル中央に「水分と電解質をすばやく補給」と記すことで商品のベネフィットが直感的にわかるようにした。また、本製品はモンドセレクション最高金賞を受賞しており、POPなどで品質の高さを訴求する。

 この施策により「アクエリアス」ブランドのラインアップとして視認性が飛躍的に向上したほか、タッチポイントが増えたことで新規ユーザーも獲得。とくに屋外で働くビジネスパーソンなど30~50代の男性ユーザーが大きく伸長している。「アクエリアス 経口補水液」は他の清涼飲料と比べ単価も高く、また、まとめ買いをするユーザーも多いことから、流通側にもメリットは多い。

 「アクエリアス」ブランドは、22年秋冬の施策としてグローバルキャンペーンの『進む人のそばに』と連動。「汗」をかくことを「成長のため」と位置づけし、スポーツ以外のオケージョンでの飲用を訴求するプロモーションを実施する。テレビCMのほか、人気アウトドアグッズが当たるレシートキャンペーンも展開。多彩なラインアップで前進する人を応援するサポート飲料として、新たなブランド価値を提供していきたいとしている。