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従来の半分の量で炒め物ができる!?イオンのトップバリュ「キャノーラ油ハーフ」は何がすごい?

食用油の価格高騰が続き消費者の買い控えが進むなか、イオン(千葉県)のプライベートブランド(PB)「トップバリュ」は、従来の半分の量で炒め物ができる「炒め物専用 キャノーラ油ハーフ」(税込429円・600g)を1025日に新発売した。同ブランドの「さらっと仕上がる キャノーラ油」の休売から約3か月を経て新登場した本商品の特徴や開発の経緯などを、イオントップバリュ(千葉県)のマーケティング本部本部長・和田浩二氏に聞いた。

価格高騰で買い控えが続く食用油

「炒め物専用 キャノーラ油ハーフ」(税込429円・600g)

 原材料価格の高騰はとどまることを知らず、なかでも食用油に使用される菜種はとくに顕著な傾向を見せる。その価格は2年前に比べると1.71.8倍で推移し、現在進行形で高騰中だ。

 20229月の食用油小売価格の全国平均は466円(1本あたり)と、直近の最安値月である20213月の270円に比べると172%も増加している(総務省の小売物価統計調査による)。一部の企業は、油を再生する機器を導入して食用油の使用量を減らす取り組みを進めるほか、一般家庭においても使用量は減ってきていて買い控えの傾向にあるようだ。

 そのあおりを受けて、イオンは今年7月に「さらっと仕上がる キャノーラ油」を休売。発表当時、休売の理由について取材に応じた和田氏は「食用油の価格が3ヵ月おきに上がっていくなかで、安定した価格のご提案ができず、いったん休売にしたい」と切実な思いを明かした。

  そしてこの度、休売から約3か月を経て、イオンは商品名を新たに「炒め物専用 キャノーラ油ハーフ」(税込429円・600g)として、全国で発売開始した。

  本商品の大きな特徴は、従来品の半分の量で調理が可能であるという点だ。実際、新商品発表会ではマーボーナスの実演調理が行われ、大さじ3杯の油が必要と記載されたマーボーナスの素が使われたが、調理に用いられた油の量は同1.5杯だった。

マーボーナスの素を使用した調理デモンストレーション

  調理担当者が実際に調理を進めるなか、和田氏は「ナスの表面部分には油がよくなじみ、反対に内部には浸透せず油が吸われにくくなっている。また、油の量が少なく済むぶん、油はねが少なく、さっぱりとした味わいにできあがる」と本商品の魅力を語る。

  ただし、本商品の揚げ物への使用は推奨されていない。衣が剥がれ落ちるおそれがあるからだという。商品名のとおり、使用は炒め物にとどめておいたほうが吉だろう。

 

“ハーフ”で済む秘密は乳化剤

従来品の半分の量で調理が可能に

 本商品の原材料は100%食用菜種を使用している。油を食材に吸われにくくするための工夫に用いられているのは、乳化剤だ。業務用食用油では乳化剤を使用した商品もあるのだが、一般消費者向けの商品は他メーカー含めあまり販売されてこなかったという。

 また、トップバリュの既存商品「サラっとしてクセがない サラダ油」(税込300円・900g)も従前どおり販売を継続する。和田氏は「カニバリが起こるかもしれないし、今後、食用油の買い控えが収まるのかどうかもわからないが、本商品の発売で幅広い選択肢をお客さまに提供したい」と説明した。