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機能性表示食品の2022 秋・冬トレンド、トクホから機能性表示食品へ需要がシフトし拡大傾向

2020年の新型コロナウイルスの感染拡大以降、生活者の健康意識が高まったことで健康・機能性を訴求する商品の需要が拡大。2年以上が経過した現在もその傾向は続いている。今回は機能性表示食品とたんぱく補給食品の2つのカテゴリーと、注目店舗の特徴的な売場を取り上げる。

ドリンク類の伸長が顕著、サプリメント類を抜きトップへ

特定保健用食品(トクホ)と並び、身近な健康訴求の商品として生活者の中でしっかりと定着した機能性表示食品(i-stock/maruco)

 特定保健用食品(トクホ)と並び、身近な健康訴求の商品として生活者の中でしっかりと定着した機能性表示食品。機能性表示食品制度が開始された翌年の16年には売上は1000億円に到達し、その後も市場拡大が続いている。

 制度開始当初はサプリメントの構成比が最大だったがその後、PETドリンク類が大幅に伸長。20年にはサプリメントの市場を上回り、21年についてもドリンク類が最大の構成比を維持するとみられる。

 一方、トクホについては乳酸菌飲料やヨーグルトなどを中心に市場を拡大してきたものの、 機能性表示食品の商品数増加に伴い需要がシフト。また、好調だったヨーグルトブームの落ち着きも影響し、18年以降市場は縮小に転じた。コロナ禍に入った20年はコロナ太り対策需要の増加に加えて、腸管免疫の認知向上などを訴求する商品が出てきたものの需要を獲得した商品は一部に限られ、機能性表示食品への需要シフトが加速。この動きは今後も続くと予想される。

出典:富士経済

脂肪や血糖値などの生活習慣病予防が5割

 訴求効能別では、生活習慣病予防が市場の約5割を占め、脂肪やコレステロール、高血糖値、血圧、認知機能訴求など、中高年層に需要の高いヘルスクレームの商品が展開されている。とくにコロナ禍以降は外出自粛によるコロナ太りを気にする生活者が増えたことで脂肪対策商品を中心に需要が増加。ドリンク類やサプリメントが大幅に伸長している。

 この秋の新商品を見てみると、明治は「明治脂肪対策ヨーグルト」「同ドリンクタイプ」を発売するほか、森永乳業は「ビヒダスヨーグルト 便通改善 脂肪ゼロ」「同ドリンクタイプ」を発売。大塚食品は水溶性食物繊維である大麦β-グルカンが含まれる「もち麦・玄米入りマンナンヒカリ」「同マンナンごはん」に加えて、大豆イソフラボンにより、「肌が乾燥しがちな中高年女性の肌のうるおいを保つ」、「中高年女性の骨の成分を維持する」という2つの機能性表示を持つ「さらっと飲めるスゴイダイズ」を発売。食品スーパーの主要顧客である30~60代女性に刺さるヘルスクレームであるかが成長のカギになると言えそうだ。