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ごま油市場、活用シーンが広がり、22年も引き続き堅調な拡大が続く

おいしさに加え健康面でも支持されているごま油。家庭でごま油を使う料理が増えていることから順調に拡大を続けている。風味油として定着しているごま油は、コロナ特需が一巡した2022年上期も堅調な伸びとなっている。

数量PIでは微減だが、価格改定の影響で金額PIは微増

 家庭用食用油の中で、キャノーラ油、オリーブオイルに次いで3番目に大きなカテゴリーに成長したごま油市場。コロナ禍の内食機会の増加で他の食用油同様に使用頻度が高まり、2020年は急成長した。

 とくにごま油は中華系メニューで使用されることが多いが、それ以外にもごま油を使う料理が増えていることが予想される。21年はその反動で微減となったが、19年対比では大きく伸長しており、確実にベースアップを果たしている。

風味油として定着しているごま油は、コロナ特需が一巡した2022年上期も堅調な伸びとなっている。(i-stock/masa44)

 KSP-POSデータによると、ごま油の期間通算(2021年8月~22年7月)の金額PIは、1700円で対前年同期比0.8%増、数量PIは5.33で同1.5%減。月別金額PIでは微減の月もあるがほぼ前年並みとなった。また7月は価格改定の影響で、数量PIは同2.5%減だが、金額PIでは同2%増となった。

 リノール酸やオレイン酸などの不飽和脂肪酸が多く含まれているごま油は健康油として認知が広がっており、中高年から支持されている。かどや製油では、ごま油業界初の特定保健用食品を取得した「健やか ごま油」を発売。セサミンとセサモリンが血清LDLコレステロールを減らすのを助ける。1日当たり大さじ(14g)摂取が目安になっており、毎日の食卓に取り入れやすい。

 日清オイリオグループでは、今年の春に機能性表示食品の「日清ヘルシーごま香油セサミンプラス」を発売。機能性をわかりやすく表示した商品の投入で、健康に気づかう人を取り込む。

高品質商品や環境配慮型商品など、こだわり商品が続々

 コロナ禍により家庭内調理が増えたことで、ちょっといいものを使いたい、というニーズが高まっており、竹本油脂の「マルホン胡麻油」は、新規ユーザーを獲得して好調に推移している。同シリーズは、化学溶剤による抽出をせず、高い圧力だけで搾油を行う昔ながらの圧搾製法で手間ひまかけてつくられた高品質のごま油だ。テレビCMの投下やキャンペーンなどで認知を広げ、トライアル獲得につなげている。今年の春には、唐辛子を純正胡麻油でじっくり煮出したラー油「ごま油屋のラー油」を新発売。香ばしいごまの香りとすっきりとした辛味が特長だ。

 一方、J-オイルミルズでは、紙パックを採用した環境配慮型の「AJINOMOTO純正ごま油」500g紙パックを展開している。容器をプラスチックボトルからFSC認証の紙パックにすることで、従来の同容量帯容器と比較して約60%のプラスチック使用量削減を実現した。環境配慮型商品は他のカテゴリーでも増えており、ユーザーからの関心も高くなっている。

 ごま油は焙煎方法や原料で味わいや風味が異なる。一般的な純正ごま油のほか、価格的に手ごろな調合ごま油、香りがないので普段使いしやすい太白ごま油、黒ごまを使った黒ごま油などがラインアップされている。店頭ではPOPなどを使用してそれぞれの特徴や使い分けを訴求することで、新規ユーザーを獲得し、さらに市場を活性化していきたいところだ。