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パスタ&パスタソース市場、内食生活の定着により、22年も需要の高止まりが続く

パスタ&パスタソースは、コロナ禍による内食需要の拡大で大きく伸長した裏年にあたる2021年は前年割れとなったが、需要は高止まり。引き続き、利便性やおいしさで支持されているパスタの需要アップを図り、市場拡大につなげたいところだ。

調理時間が短い
早ゆでタイプが市場をリード

 KSP-POSデータのスパゲティの期間通算(2021年8月~22年7月)の金額PIは、2450円で対前年同期比0.7%増。内食需要の拡大で大きく伸長した裏年にあたる21年は前年割れの月も多くなっている。22年2月以降はプラスに転じている月も増えており、直近の6月、7月は前年を上回った。原料などの高騰により8月からパスタの値上げが発表されたことで、駆け込み需要で7月は同9.4%増と伸長した。

パスタ&パスタソースは、コロナ禍による内食需要の拡大で大きく伸長した裏年にあたる2021年は前年割れとなったが、需要は高止まり。(i-stock/Elena_Danileiko)

 パスタでは調理時間が短い早ゆでタイプや便利な結束タイプが市場をリードしている。日清製粉ウェルナでは、「マ・マー早ゆでスパゲティFineFast」ブランドのリニューアルを行うことで、電子レンジ調理が可能になり、より利便性が高まった。しかもガス火でゆでるよりもCO2排出量を削減できるなど、環境に配慮した商品として支持されている。電子レンジ調理が広がれば、さらに需要は高まりそうだ。

 また、結束タイプでは1食100gが中心だが、女性やシニア層は量が多いと感じていることから、日清製粉ウェルナでは「マ・マーチャック付8 0 g 結束スパゲティ1.6mm」、はごろもフーズでは「Myピタポポロスパ7分」で80g結束タイプを発売した。自分の好みの量が選べるラインアップとなっている。

 一方、マカロニの期間通算の金額PIは482円で同2.4%減。マカロニもスパゲティ同様の動きだが、前年割れの月が多くなっている。20年はスパゲティが品切れになり、代わりにマカロニを選ぶ人が増え一時的に売上がアップしたが、その反動で需要が減少したことが予想される。マカロニはサラダやグラタンでの使用が中心なので、食べ方を広げていく必要がある。

パスタソースはあえるタイプが依然好調をキープ

 粉末・ペーストのパスタソースの期間通算の金額PIは、1036円で対前年同期比2.2%増。レトルトソースの期間通算の金額PIは1674円で同0.9%増となった。パスタソースもスパゲティ同様の動きをみせており、8~9月は前年を上回って推移しているが、その後微減状態が続き、直近の6~7月は回復基調にある。

 パスタソースの中でも簡便ニーズに対応した「あえるタイプ」が市場を牽引。在宅勤務などの時間をかけられない昼食などに、早ゆでスパゲティとあえるパスタソースを活用するケースが増えているようだ。ミートソースやカルボナーラの定番のほか、和風などラインアップも広がっている。

 また、材料を炒めて茹でたパスタにからめるだけのキユーピー「キユーピー3分クッキング パスタを手作りオイルソース」シリーズなど、ひと手間加えて料理をアレンジできる商品も好調だ。

 コロナ禍で「ちょっと贅沢気分を味わいたい」という付加価値商品を求める人がいる一方で、昨今の食料品などの価格高騰により、今後は節約ニーズが加わっていくことが予想される。今後ますます多様化するニーズに対応した商品を提案する必要がありそうだ。