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シリアル市場、オートミールの人気が市場の成長を牽引!市場参入が加速し、さらなる拡大に期待

コロナ禍に伴う内食機会の増加や健康志向の高まりを背景に、シリアル市場が成長している。その好調を牽引するのが、オートミールの伸長だ。健康価値や汎用性の高さが支持され需要が拡大している。シリアルメーカー各社の市場参入も相次ぎ、今後はさらなる市場の拡大が見込まれる。

健康価値と汎用性の高さからオートミールの人気が急上昇

 コロナ禍において好調に推移しているシリアル市場。在宅時間の増加や健康志向の高まりに伴い、その簡便性や保存性、栄養バランスの良さなどがあらためて評価されている。日本スナック・シリアルフーズ協会によると、2021年のシリアルの出荷金額は622億円で、16年に記録した602億円を上回って、過去最高の出荷金額を更新した。

コロナ禍に伴う内食機会の増加や健康志向の高まりを背景に、シリアル市場が成長している。その好調を牽引するのが、オートミールの伸長だ。(i-stock/Arx0nt)

 なかでも急速に伸長しているのがオートミールだ。オートミールとは、オーツ麦を脱穀して食べやすく加工したもの。食物繊維や鉄分、ビタミンB1、たんぱく質などの栄養素を豊富に含み、米と比較してカロリーが低く糖質量も少ない。また、「米化」が話題になったように、米の代わりに活用できるほか、おかずやスイーツにアレンジできるなど汎用性が高いこともオートミールが支持される要因といえる。

 需要拡大の契機となったのが、新型コロナウイルス感染症の拡大だ。20年の初頭からSNSを起点に徐々に話題となり、ステイホーム生活が長期化するなかで、オートミールの健康価値に注目が集まり、テレビ番組などで取り上げられたことから一気に認知が広がった。

 KSP-POSデータをみると、シリアル全体の期間通算(2021年5月~22年4月)の金額PIは3101円で前年同期比6.92%増。そのうち、オートミールの金額PIは450円で同216.44%増と大幅に伸長した。月別動向をみても、21年5月と7月を除くすべての月で前年同期比200%を上回っており、市場の急成長ぶりがうかがえる。

メーカーの市場参入が相次ぎ、商品ラインアップも拡充

 オートミールの人気が急上昇していることを受けて、昨年から大手シリアルメーカー各社の市場参入が相次いでいる。

 21年4月には、日本ケロッグが「ケロッグオートミール」を発売。同9月には日清シスコが「日清シスコのホットシリアル」シリーズとして、これまでにない味付きのオートミールやシリアルのようにフレークタイプにした商品など4品を投入した。

 さらに、今年4月、カルビーがオートミールを独自の製法で焼き上げた「ベイクドオーツ」シリーズ2品を発売して市場に参入。各社とも健康価値や調理の簡便さを訴求するほか、食べ方提案にも注力し、オートミール全体の総需要アップをめざす。

 また、今期は商品のバリエーションが広がっている点にも注目したい。今年3月、日本ケロッグは「ケロッグ プロテイン オートミール」を発売した。オリジナルの「ケロッグオートミール」に大豆由来のたんぱく質フレークを加えることにより、白米のごはんと比べて1.5倍量のたんぱく質を含む商品で、大容量サイズも同時発売する。

 6月20日には、日清シスコが「オートミール あじわい苺」を新発売する。同商品は、牛乳をかけるだけで手軽に楽しめるオートミール。人気のいちごフレーバーで、初めてオートミールを食べる人でも親しみやすく、冷たくしても食べられる点を訴求し、春夏の需要を喚起するねらいだ。

 多彩な商品が登場することにより、オートミールの間口を広げるとともに、既存ユーザーの多様なニーズに応えることで、今後もさらなる市場の活性化が期待される。