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KSP-POS マーケットトレンドレポート「酒類」

KSP-POSマーケットトレンドレポート「酒類」

  • 2020年10月1日より酒税が改定となり、新ジャンル(第3のビール)は増税、ビールは減税となった。
  • 税率改定に伴い、買いだめが発生。改定後、新ジャンルは前年マイナスに転じたが、酒類全体では前年プラスで推移。

酒類全体

酒税法改正により、2020年10月1日より発泡性酒類(ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類)と醸造酒類(清酒、果実酒、その他醸造酒)が税率改定の対象となった。今回の税率改定で増税となったのは、新ジャンル(第3のビール)と果実酒。減税となったのはビール、清酒。(発泡酒やサワー系はこの10月の税率改定では対象外)

酒類全体のKSPPOSの推移を見ると、税率改定前の9/21週は金額、数量、平均価格いずれも前年比マイナス。10/1を含む9/28週は大きくプラス。改定以降は平均価格がアップし、金額はプラスが続いている。

▲KSP-POS食品SM(全国、週次2020年9月14日週~10月19日週)

小分類別

全体としては、9/28週以降は、金額数量共に前年プラスとなったカテゴリーが多い。今回増税となった新ジャンルを含むリキュール類は9/28週に大きくプラスとなり、増税後の10/5週以降は前年マイナス推移となった。


平均価格は9/28週のリキュール類は128%と、大容量品の買いだめがあったことがうかがえる。反対にビールは改定前の9/21週の前年比は76%。

▲KSP-POS食品SM(全国、週次2020年9月14日週~10月19日週)

▲KSP-POS食品SM(全国、週次2020年9月14日週~10月19日週)

ビール系

ビール、発泡酒、新ジャンルの合計を「ビール系」として金額の推移を見ると、税率改定前の9/21週は前年87%と大きくマイナス。改定の当該週は前年比121%と大幅にプラス。改定後は前年並みで推移をしている。新ジャンルは増税、ビールは減税となったが、全体としてはほぼ前年並みと見れる。

細分類別にわけて、ビール系の金額構成比の推移を見ると、税率改定後の10/5週より新ジャンルに該当する細分類のビアテイスト(リキュール)の構成が減少し、代わってビールの構成が増加している。

金額前年比で見ても、ビアテイスト(リキュール)とビールの入れ替わりがうかがえる。

▲KSP-POS食品SM(全国、週次2020年9月14日週~10月19日週)

平均価格の推移を見ると、新ジャンルは9/28週に向けて平均価格が上昇。9/28週はビールよりも高い平均価格となった。改定後の10/5週は前週より178円と大幅に平均価格が下がった。ビールは新ジャンル程の上下はない。

新ジャンルは増税前の9/21週に24缶パックが該当する80018500mlのシェアが拡大し、大容量の買いだめが見られる。改定以降は6缶パックが該当する20012500mlや単品の500ml以下のシェアが増えている。

ビールも税率改定以降24缶パックの20018500mlのシェアが減少。ビールは減税となったが、大容量を買う人が増えたわけではなく、単品や6缶パックを購入する人が増えたようだ。

▲KSP-POS食品SM(全国、週次2020年9月14日週~10月19日週)

清酒

清酒は10/1以降、減税となり当該週の9/28以降、多くのカテゴリーで金額、数量ともに前年比プラスで推移。


吟醸酒、本醸造、普通酒は減税以降、平均価格がアップ。純米酒は前年マイナスだったが、減税以降前年並みの平均価格に、純米吟醸酒はマイナス幅が若干少なくなり、全体的に平均価格の前年比は上がっている。

▲KSP-POS食品SM(全国、週次2020年9月14日週~10月19日週)

果実酒

果実酒は10/1以降、増税となった。当該週の9/28週は金額数量共に大きく伸長。増税後の10/5週もほとんどで前年プラスであったが、10/12週以降は、果実酒全体の約半分の売上を占める輸入スティルワインはマイナスに転じている。果実酒の4割弱を占める国産スティルワインは好調で、前年プラスで維持を続けている。


平均価格は輸入スティルワインは10/5週以降、国産スティルワインは9/28週以降前年プラス。スパークリングワインは前年マイナスで推移。

▲KSP-POS食品SM(全国、週次2020年9月14日週~10月19日週)

<調査概要>

POSデータ︓ KSP-POS(食品SM)週次
期間 ︓ 週次2020年9月14日週~10月19日週
地域 /店舗数 ︓ 全国 約820店舗
*KSP-POSは全国150チェーン約1030店舗の食品スーパーから収集した販売情報データベースです。

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