経済産業省によると、2020年度の食品卸業界の市場規模は対前年度比3.6%減の89兆2598億円で、前年に続き2年連続の縮小となった。上位10社による占有率は同0.47ポイント増の12.91%で、ランキングの顔ぶれは昨年と同じだった。コロナ禍で主要取引先の小売業や飲食店の状況が変化するなか、食品卸各社は既存事業だけでなく新たな事業に注力し始めている。
※2020年3月から経済産業省が「平成28年経済センサス-活動調査」をもとに水準を調整しているため、前年掲載した市場規模と大幅な乖離が生じている。市場規模の増加率と占有率の増加ポイントは現在の水準に合わせて前年の数値を再計算したものとの比較。
農畜水産物の販売額、4年ぶりに減少
食品卸の市場規模は、経済産業省が公表している「2020年商業動態統計年報」の「農畜産物・水産物卸売業」「食料・飲料卸売業」の販売額を合計して算出している。「農畜産物・水産物卸売業」の年間販売額は、同3.6%減の35兆3723億円。魚介類、肉類の輸入減などにより4年ぶりの減少となった。「食料・飲料卸売業」の年間販売額は同4.0%減の53兆8874億円。10年ぶりの減少となった前年度に続き2年連続の減少となった。食料品の輸入減や国内外食産業向け販売の減少などが主な要因だ。
食品卸上位10社による占有率は
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。