米国の小売市場はコロナ禍での需要増に加え、コロナ前から積極化していたデジタル投資が奏功し、業績を伸ばしている企業が多い。テクノロジー企業を中心とした外部との資本提携や協業のみならず、自社内で構築したシステムの外販を新たなビジネスの軸として成長を図ろうとする動きも見られるようになってきた。
米国の小売市場を俯瞰するうえで無視できないのが、世界最大の小売企業であるウォルマート(Walmart)の存在だ。同社は米国内でスーパーセンターおよびディスカウントストア業態の「ウォルマート」、食品スーパー(SM)業態の「ネイバーフッド・マーケット(Neighborhood Market)」、会員制ホールセールクラブ「サムズ・クラブ(Sam’sClub)」などを展開する。
ウォルマートは近年、店舗事業のみならずEC事業にも積極的な投資を行っており、食品宅配事業「グロサリー・デリバリー(Grocery Delivery)」を軸に、年会費を払うことで送料が常時無料となるいわゆるサブスクリプションモデルの「ウォルマートプラス(Walmart+)」、即時配送サービス「エクスプレスデリバリー(Express Delivery)」など豊富なサービスを展開する。さらに、ECで注文した商品を店頭で受け取るBOPIS(Buy Online Pick-up InStore)のサービスにも力を入れており、商品の受け取り手段の拡充を進めている。
このウォルマートといまや双璧をなす存在なのが、ECの巨人・アマゾン(Amazon.com)だ。日本でも利用者の多い即時配送サービス「プライム・ナウ(Prime Now)」を提供、生鮮を含む注文品の受け取り拠点「アマゾン・フレッシュ・ピックアップ( Amazon Fresh Pickup)」の拡大も進めている。
アマゾンは
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