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コーヒー「ジョージア」が若い男女にも受け入れられるブランドに育った理由

コーヒー「ジョージア」

日本コカ・コーラは2023年に大規模リニューアルを行ったコーヒーブランド「ジョージア」が好調に推移。

中でもPETボトルコーヒー「ジョージア THE ゼロ」は『カフェラテが飲みたいけれど、甘味が気になる』というコーヒーユーザーに刺さり、健康志向を背景に幅広い年代に支持されている。

糖類・砂糖ゼロでラテの味わい「ジョージア THE ゼロ」の強み

 日本コカ・コーラのコーヒーブランド「ジョージア」は1975年の誕生以来、RTDコーヒー
市場を牽引してきたカテゴリーを代表するブランドだ。

 2023年3月、「ジョージア」は新たなブランド戦略のもと、14年ぶりとなるブランドロゴの刷新に加え、“五感を刺激するコーヒー体験”を提供することをコンセプトにした新製品の発売や新コミュニケーション活動など大規模なリブランディングを実施した。
 ※RTD(Ready To Drink=ふたを開けてすぐ飲める飲料のこと)

 「ジョージア」は長い歴史の中でビジネスパーソンを中心に多くのユーザーに支持されてきたが、「働く男性」や「缶コーヒー」といったイメージが強く、既存のブランドイメージを刷新するため、今回の取り組みに至ったという。

 新ロゴデザインは自身の内側から放たれる輝きを表す黄色と菱形を採用し、ブランドが持つ味わいへのこだわりの表現から、味わいから生まれる情緒的価値の表現へと大きく変化させた。

 プロモーションでは新ブランドキャンペーンメッセージ「毎日って、けっこうドラマだ。」を掲げたコミュニケーション活動を積極的に展開。

 セレブリティにアーティストの米津玄師さんを起用し、書き下ろし楽曲「LADY」に合わせ、「ジョージア」を通じて何気ない毎日にも幸せがあることへの気づきを描いた。

 これらの施策により、「ジョージア」は男女全世代で新規飲用者を拡大。これまで「ジョージア」を手に取ってこなかった若年層・女性層などのトライアル獲得に成功し、RTDコーヒー市場の拡大に貢献した。

ブランドの躍進に貢献した4品

 ブランドの躍進に貢献したのはスペシャルティコーヒー専門店「猿田彦珈琲」監修によるPETボトルコーヒーの「ジョージアTHEブラック」「ジョージアTHEラテ」「ジョージアTHE微糖」「ジョージアTHEゼロ」の4品。

 中でも「ジョージアTHEゼロ」は独自技術のミルクゼロブースト技術を活用し、ミルクのような厚みのあるコクとなめらかな甘さを表現。糖類・砂糖ゼロでも贅沢なラテ感が楽しめる商品となっている。

 糖類・砂糖ゼロでも贅沢なラテ感が楽しめる「ジョージア THE ゼロ」は健康志向を背景に好調に推移。「ジョージア THE ラテ」「ジョージア THE ブラック」「ジョージア THE 微糖」はダブルアロマ密封技術により香りが豊かになった

 日本コカ・コーラのマーケティング本部コーヒーカテゴリーシニアブランドマネジャーを務める鈴木理氏は「ジョージアTHEゼロ」好調の要因について、「カフェラテには、甘さやミルクのコクが楽しめるタイプと、止渇ニーズにも応える飲みやすいタイプがある。

 『ジョージアTHEゼロ』は後者のタイプだが、コロナ禍以降広がる健康志向ニーズから、『甘いカフェラテが飲みたいけれど、カロリーが気になる』といった30・40代男性ユーザーに支持されている」と語っている。

日本コカ・コーラ マーケティング本部コーヒーカテゴリーシニアブランドマネジャーの鈴木理氏

ブランド刷新後「ジョージア」PETボトルは4億本突破

 23年以降、RTDコーヒー市場は、新型コロナウイルスが5類へ移行したことによる人流の回復もあって、順調に数字を伸ばしている。

 とくに「ジョージア」のPETボトルコーヒーは、ブランド刷新以降、23年3月20日~24年1月末で4億本を突破(同社調べ、「ジョージアTHEブラック」「ジョージアTHEラテ」の累計出荷本数)するなど、好調に推移している。

 日本コカ・コーラでは24年2月に、「ジョージアTHEラテ」「ジョージアTHEブラック」「ジョージアTHE微糖」を、さらにすっきりと飲みやすい味わいにアップグレードした。

ダブルアロマ密封技術で香り豊かにすっきりと飲みやすいコーヒーへ

 コンセプトは「本格感のある香り高いコクと、すっきり飲みやすいPETボトルコーヒー」。

 よりおいしいコーヒーの味わいを実現するため、同社の技術を最大限に活用し、コーヒーを楽しむ際に大切な「挽きたて時」と「淹れたて時」の香りに着目。

 “挽きたてアロマ製法”と“水蒸気蒸留アロマ技術”のダブルアロマ密封技術により、気持ちがやわらぐような香り設計を実現した。

 さらに、高温高圧の「エスプレッソ抽出」、丁寧な「ドリップ抽出」、時間をかけた「水出し抽出」という3温度帯抽出製法を採用。なめらかな味わいの中にもエスプレッソのコクを際立たせ、すっきりさわやかな味わいとしっかりとしたコーヒー感を同時に楽しめる。

 また4製品のパッケージもリニューアルした。黄色の菱形ロゴを中心に配置し、すっきりと飲みやすい味わいを表現したシースルーのパッケージへ一新している。

新セレブリティを起用しキャンペーンを展開

 新「ジョージア」ブランドではコミュニケーション活動の一環として、消費者が「ジョージア」のブランド価値を体験できる参加型のデジタルコンテンツ「毎ドラ部」を展開している。

 中でもユーザーが撮影した写真を人気イラストレーターのタッチに変換し、日常の一コマをドラマチックに仕上げることができる「AIイラストメーカー」は、若年層を中心にSNSでも大きな反響があったという。

日本コカ・コーラでは今期も最盛期である夏場に向け、「ジョージア」ブランドキャンペーンを展開。俳優の向井理さん、浜辺美波さん、バスケットボール選手の河村勇輝さんを新たなブランドセレブリティに起用する。

 キャンペーン期間中は向井さん・河村さんが出演する新テレビCMをはじめ、店頭向けに新グラフィックと連動した販促ツールを展開。さらに「毎ドラ部」では今の気分や興味関心事を選ぶだけで、自分だけの占い結果が受け取れる、最新AIコンテンツの配信も予定している。

 今後も期間限定フレーバーの投入も予定。日本コカ・コーラではさまざまなコミュニケーション施策を通じて若年層や女性層など新規飲用者の拡大に努め、「ジョージア」ブランドおよびRTDコーヒー市場の活性化を図っていく考えだ。