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マスヤの「おにぎりせんべい」、東日本でもヒットの兆し

dcs231201_MD特集

2024年に発売55周年を迎えるマスヤの「おにぎりせんべい」。三角形のおせんべいを甘塩っぱいしょうゆタレで味付けした関西では誰もが知るロングセラーブランドだ。2023年春・夏 新商品ヒットランキングの大袋(米菓)部門でファミリーパックがNo.1を獲得。親子のコミュニケーションツールとしても全国で支持が広がってきている。

ファミリーパックの発売で、東日本の小売店の配荷率がアップ

 1969年7月に誕生した「おにぎりせんべい」。おせんべいといえば当時、丸か四角のものばかりで、マスヤでは他ブランドと差別化するため三角形のおせんべいを開発した。甘塩っぱいしょうゆタレで味付けされ、焼き海苔がふりかけられた「おにぎりせんべい」は、親から子へと受け継がれ、世代を超えて愛され続けているブランドだ。

 とくに2枚入りの個包装が14袋入ったファミリーパックは、親子で楽しめるように工夫されている。個包装パッケージには間違い探しやなぞなぞ、クイズ、迷路などが印刷されており、親子で楽しめるコミュニケーションツールとしての役割も担っている。個包装パッケージは全25種類で、飽きずに長く楽しんでもらえるように定期的にリニューアルを行っている。

 また、個包装は透明ではなくアルミパッケージで、賞味期限が印字されているので、持ち運びや保存にも便利。これらは東日本も西日本も変わらない顧客のニーズといえる。そのような理由で、30~50代の子供を持つ親から絶大な支持を獲得している。

「おにぎりせんべいファミリーパック」の親子で楽しめる個包装のパッケージは全25種類

 西日本に比べ、認知度の低い東日本だが、ファミリーパックの発売により、東日本の小売店の配荷率も徐々に高まっている。また、10年以上さまざまな施策を講じ、「おにぎりせんべい」の認知度も上がってきている。2019年にマスヤが東京都で自社の認知度調査を行ったところ、40代以下の認知率は7割以上にまで拡大した。

 「おにぎりせんべい」は熱狂的なファンが多く、同社ではこうしたファンと交流するための「おにぎり倶楽部」を19年に刷新。約2万人の会員がおり、会員からの意見を聞いて商品開発につなげている。現在、催事向けの商品として定番となっているハロウィンパッケージも、ファンの声から生まれた商品だ。遊び心のあるパッケージなので子供たちに配るお菓子として最適だ。

 そのほかにも季節感を演出する季節限定フレーバーも人気で、これまで〈わさび〉や〈マヨしょうゆ〉〈梅しそ〉〈和風カレー〉などを発売している。

ファンとの交流サイト「おにぎり倶楽部」。集まったファンの声を商品開発に生かしている

シンプルな塩味が高い評価「おにぎりせんべい銀しゃり」

大きさの異なる2種類のつぶ塩が表面に付いた「おにぎりせんべい銀しゃりファミリーパック」。個包装のパッケージには難易度レベル1〜5の間違い探しが印刷されている(全10種類)

 「おにぎりせんべい」に続くブランドとして12年に発売したのが「おにぎりせんべい銀しゃり」。三角形のおせんべいの表面に大きさが異なる2種類の「つぶ塩」を付けた、シンプルだが深みのある塩味のおせんべいだ。「おにぎりせんべい銀しゃりファミリーパック」が、第67回ジャパン・フード・セレクションにおいて、グランプリを受賞。幅広い世代に受け入れられる商品のクオリティや保存料・着色料不使用で、8大アレルゲンも不使用といった安全設計が高く評価された。

 発売から順調に売上を伸ばしており、直近で対前年比40%増と伸長。既存の「おにぎりせんべい」では取り切れていないニーズを「おにぎりせんべい銀しゃり」で獲得している。今後、全国的に同商品の配荷を高め、ブランド全体を活性化していく考えだ。