安定成長を支える独自のサステナブル経営
スペインを本拠とするインディテックス(Inditex)は、「ZARA」をはじめ8つのアパレルブランドを有し、H&Mやファーストリテイリングを抑え、売上規模で首位に君臨するグローバルアパレル企業だ。
コロナ禍の影響で2020年度の売上高は対前年度比28%減の204億ユーロ(約3兆2000億円:1ユーロ=158円換算、以下同)、営業利益も同28%減の113億ユーロ(約1兆7800億円)の大幅な減収減益となり、営業利益率も前年度の16.9%から7.4%へと大きく落ち込んだ。しかし22年度は売上高が3 2 6 億ユーロ( 約5 兆1000億円)、営業利益率は17.7%となり、コロナ前と比較しても増収増益を達成し、復活を遂げている。
こうした安定的な成長を支えている1つの要素が、サステナブル関連の取り組みである。それらをブランドイメージの醸成につなげ、販売数量・単価向上を図るのと並行して、緻密なコストコントロールを行い、売上と収益性向上を両立させているのだ。
そこで本稿ではインディテックスのサステナブル経営の実像を、サステナブル商品の「売上向上」と「生産・開発コストのコントロール」という2つの軸から、詳しく解説していく。
サステナブル教育プログラムを5年にわたって実施
まず売上向上の観点で見ると、インディテックスが有する数万人単位のリサーチャーによる消費トレンドの把握と分析
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