“ダークコマース”が多くの街から締め出されようとしている。欧州の複数の行政が、“ダークコマース”、いわゆるクイックコマースやフードデリバリー・サービスが運営するダークストアやダークキッチンの営業に規制をかけつつあるのだ。
理由は、昼夜を問わず出入りする自転車やバイクの騒音、危険運転によって生活が侵害されているとの住民の苦情や、地元商店やレストランからの経営悪化の訴えによるところが大きい。
たとえば、オランダのアムステルダムでは22年、ダークストアやダークキッチンの営業を工業地区のみに制限した。同じオランダのロッテルダムでは施設の新設を1年間許可しない方針だ。
スペインのマドリードではダークキッチンの規模を350㎡未満に制限して配達件数を抑制しようとしている。フランスでも各地でダークコマースの営業に法的制限を加える方向で議論が続いている。
そんななか、スペインのバルセロナ市議会で23年1月27日、市内にあるすべてのダークストアおよびダークキッチンの営業を禁止する法案が可決された。ダークコマースの営業を制限した都市はほかにもあったが、禁止を決定した都市は欧州内でバルセロナが初めてである。
市内のダークストアは、閉鎖するか、配達サービスを行わない純粋な倉庫に変更するか、通常のスーパーマーケット(SM)に改装するかの選択を迫られている。一方のダークキッチンは
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