米アマゾン・ドット・コムは9月9日、2022年1月から米国内の物流センターなどで働く現場従業員を対象に大学の学費を全額支給すると発表した。アマゾンは新型コロナウイルスの感染拡大が始まってから現場従業員約40万人を新たに採用しており、現在は75万人超が働いている。学費負担のために2025年までに12億ドル(約1200億円)を投じる計画だ。
パートタイムで働く大学生に学費と教科書代を全額支給する。これから大学進学を目指す従業員に対しては、高卒認定資格「GED」の取得費用や英語を学ぶためのESL(第2言語としての英語)教育の学費も支給する。アマゾンで3カ月以上勤務している従業員が対象で、同社で働いている間は学費の支給が受けられる。
アマゾンでは、「キャリアチョイス」と呼ばれる教育プログラムを従業員に提供しており、同プログラムを通じて学費を支給する。同プログラムでは、ITスキルなどの無料教育も提供しており、全米各地の物流センターに設けられた教室で5万人以上が学んでいる。
米国の大手小売業では、ウォルマートとターゲットが8月、パートタイムで働く大学生らの学費を全額負担すると発表した。人材確保のために、福利厚生を充実させる動きが目立っている。