[シカゴ 2日 ロイター] – 米小売り大手・ウォルマートは2日、米国内の店舗で働く従業員56万5000人を対象に、時給を少なくとも1ドル引き上げると発表した。人材不足が続く中、年末商戦に向けて人材を確保するため待遇を改善する。
米国では、11月下旬の感謝祭からクリスマスまでの期間の年末商戦で個人消費がピークを迎える。昨年の年末商戦期の米小売売上高は8000億ドル近くに達した。
小売各社は手厚い賃金や福利厚生を提供し、臨時従業員の確保に動いている。小売り大手ターゲットは昨年、新型コロナウイルス関連のヘルスプランを提供し、時給も19年の13ドルから15ドルに引き上げた。
ただ、コロナ禍で全国的に人手不足が続いており、店舗や物流施設で十分人材を確保できないとの懸念が出ている。
米国部門のジョン・ファーナー最高経営責任者(CEO)は従業員宛てメモで、過去1年間で3回目となる賃上げにより、国内従業員の平均時給は16.40ドルになると明らかにした。
売り場、食料品や一般商品部門の従業員を対象に25日から適用する。米統計当局によると小売店販売員の平均時給は14.87ドル。
また、物流部門で2万人の新規採用を計画していると明らかにした。同社は今年、42万5000人超の仕入れ・デジタル担当者の賃金を引き上げている。