米ウォルマートは6月17日、ドローン配送サービスの米ドローンアップ(DroneUp、バージニア州)に出資したと発表した。ウォルマートは昨年、ドローンアップと共同でドローン配送の実証実験を行っており、出資によって同社との提携関係を強化する。出資金額は明らかにしていない。
ウォルマートとドローンアップは2020年9月から、新型コロナウイルス感染症検査の検体採取キットを、ネバダ州とニューヨーク州の店舗からドローンで配送する実証実験を行った。ウォルマート米国事業のジョン・ファーナー社長兼CEOによれば、「数百回のドローン配送を安全に完了した」という。
ドローンアップは、米連邦航空局(FAA)認定のドローンパイロットを全米で1万人以上組織化しており、顧客企業の要望に応じてパイロットを派遣している。ウォルマートは今後数カ月以内に、アーカンソー州の店舗でドローン配送サービスの本番運用を開始する予定だ。
ウォルマートは全米で約4700店舗を展開しており、全人口の90%がウォルマートの店舗から10マイル(約16キロメートル)以内に住んでいる。店舗からEC(インターネット通販)利用者宅までのラストワンマイル配送の強化に向け、同社ではドローン以外にも自動運転車による配送実験も行っている。4月には、ゼネラルモーターズ(GM)傘下の自動運転車開発会社、クルーズ(Cruise)に出資したことを明らかにした。