アリババ(Alibaba)系の新小売スーパー( S M )「フーマー・フレッシュ(HemaFresh:以下フーマー)」が、新型コロナウイルス(コロナ)禍の追い風を受けて好調だ。フーマーは店頭販売以外に半径3㎞圏内で注文から30分以内に商品を宅配するサービスを行っている。中国で外出が厳しく制限された昨年1~2月には、スマホ経由の宅配注文が殺到し、多くの店舗で宅配注文数が通常の4倍から9倍に急増。一部の店舗では30分配送が維持できず、一時的に前日の予約受付も実施された。
そうしたなか、上海の「浦東金橋店」では昨年8月18日、1日の宅配注文数が2万件を超えるという新記録を樹立した。これは、フーマーにとってきわめて重要な記録だ。なぜなら、浦東金橋店は店舗面積5000㎡(うち4分の1はイートインスペース)を誇る大型店だが、同店の規模だと店頭では1日2万人の対応が物理的な限界になるためだ。この日の来店客は6000人だったため、宅配と店舗を合計すると客数は2万6000人。つまり“店舗の限界”を超えたことになる。しかも宅配注文はリソースを拡充すればまだまだ伸ばすことができる。
既存勢力が太刀打ちできない理由
中国では永輝(Yonghui)、カルフール(Carrefour)などの大手食品小売でも、
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