[ブリュッセル 10日 ロイター] – オランダのビール大手ハイネケンは10日、約8000人を削減する方針を明らかにした。新型コロナウイルス感染拡大に伴う制限措置で利益が急減した同社は、大幅な人員削減で営業利益率をコロナ前の水準に回復させたい考えだ。
世界2位のビールメーカーであるハイネケンは、ドルフ・ファン・デン・ブリンク最高経営責任者(CEO)の「エバーグリーン」計画の下で、2023年までの3年間で20億ユーロ(約24億ドル)のコスト削減に取り組むと説明。組織の再編、複雑な製品構成の簡素化、製品数の削減、そして最も効果が低い支出の特定によって達成するとしている。
事業見直しによって、19年末時点の全従業員数の9%に相当する約8000人を削減。これに伴い4億2000万ユーロの費用を計上する。人件費は約3億5000万ユーロ削減される。
同社は、人々の集まりや飲食店などへの制限措置によって、21年の売上高、営業利益、営業利益率は19年の水準を下回ると予想。市場の状態は21年に徐々に改善し、22年はその傾向が強まるとの見通しを示した。
ハイネケンは一時的要因を除く営業利益率が23年までに17%に上昇すると予測。20年は12.3%、19年は16.8%だった。
20年の営業利益は35.6%減と、予想通りの落ち込みとなった。