[ロンドン 4日 ロイター] – IHSマークイットが発表した2020年12月のユーロ圏の製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は55.2と、前月の53.8を上回り、2018年5月以来の高水準となった。
速報値の55.5からは下方修正された。50が好不況の分かれ目となる。
特にドイツの製造業が好調だった。サービス業は新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウン(都市封鎖)で特に打撃を受けているが、工場の操業はおおむね継続している。
生産指数は56.3で、前月の55.3から上昇した。
IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「第4・四半期のユーロ圏経済は、前例のない落ち込みとなった第2・四半期と比べて、新型コロナの打撃がはるかに少なかったようだ。製造業が底堅かったためだ」と述べた。
新規受注は増加。ドイツ製品への需要が拡大した。英国の欧州連合(EU)離脱の移行期間終了を前に英国で一時的に需要が急増したことなどが寄与した。
受注残高も過去3年近くで最大級の伸びを示したが、人員の削減は続いている。雇用指数は49.2。前月は48.7だった。
同氏は「雇用の削減は続いたが、生産の増加に遅れて雇用情勢が改善するという世界的な金融危機からの回復の際と同じようなパターンをたどっている」と指摘。「生産の伸びを維持できれば、雇用も近く追随するだろう」と述べた。